中国、豪国籍ジャーナリストの妨害試みる-豪首相は懸念表明

AI要約

中国の李強首相が訪問中のオーストラリアで、中国当局者が豪国籍のジャーナリスト成蕾氏の活動を妨げようとしたことが報じられ、豪州訪問に影を落とす可能性がある。

成氏は中国で拘束された際、豪州は解放を求め続けていたが、中国国家安全省が2020年に刑を終え、中国から追放されたと発表した。

豪中首脳会談で、中国当局者が記者の活動を妨げる一幕があり、アルバニージー首相は懸念を示し、豪中両国は協力関係改善などの取り決めに調印した。

(ブルームバーグ): 中国の李強首相が訪問中のオーストラリアで、中国で3年近く拘束されていた豪国籍のジャーナリスト成蕾氏を中国側が妨害しようとしたことが、中国首相による約7年ぶりの豪州訪問に影を落とす可能性がある。アルバニージー豪首相はこうした中国側の行動を懸念していると表明した。

成氏はジャーナリストとして北京で活動していた2020年、スパイ容疑で中国で拘束され、豪州は繰り返し解放を要求。中国国家安全省は昨年10月、成氏が2年11カ月に及ぶ刑を終え、中国から追放されたと発表していた。

成氏はキャンベラで17日行われた豪中首相会談後の調印式にニュース専門局スカイニューズの記者として出席。しかし、同局が成氏と李首相のパンショットを撮ろうとしたところ、複数の中国当局者がカメラと李首相の間に立とうと試み、これに対し豪州側は中国の当局者をどかそうとした。

成氏はその場にとどまり、その後の記者会見でアルバニージー首相に質問した。

アルバニージー首相はオーストラリア放送協会(ABC)の取材に応じ、中国当局者の行動を懸念していると述べ、「オーストラリア人ジャーナリストの仕事を妨げることがあってはならない。われわれは中国大使館にそのことを明確に伝えた」と説明した。

豪中両国は、協力関係改善に向けた協定や、軍同士の意思疎通を強化する取り決めに調印した。

原題:Chinese Officials’ Viral Moment Casts Shadow on Australia Visit (抜粋)

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