フランス市場はリプライシング、無秩序な動きでない-ECBレーン氏

AI要約

欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミストは、フランス金融市場の混乱は過度に懸念する必要はないと述べた。

フランス債の下落が一服しており、総選挙での結果に関しては市場が安心している。

ECBは極めて重要な危機対応ツールを持っており、金融政策に影響を及ぼす混乱を許さない姿勢を示している。

(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)がフランス金融市場の最近の混乱を過度に懸念する理由はないと、チーフエコノミストを務めるレーン理事は述べた。

レーン氏は17日、ロンドンで開かれたロイター主催のイベントで、「いま市場で起きているのはリプライシングだと思う」と指摘。「無秩序な市場の動きではない」と続けた。

欧州議会選挙でマリーヌ・ルペン氏が実質的に率いる極右政党・国民連合(RN)に与党が敗北。これを受けてマクロン大統領は議会の解散・総選挙を発表したが、予期していなかった市場は混乱に見舞われた。

この日はフランス債の下落がやや一服している様子だ。総選挙でRNが勝利する場合でもマクロン氏を追い出すことはないとルペン氏が語ったことが好感されている。

ブルームバーグは先週、ECB当局者はフランス市場の最近の混乱に警戒すべき理由はないとみていることを報じた。

フランス市場混乱、ECB当局者は警戒すべき理由ないと認識-関係者

レーン氏はユーロ圏債券市場の分断化を防ぐための危機対応ツール「トランスミッション・プロテクション・インスツルメント(TPI)」について一般論として、「正当化されない無秩序な市場の動きが金融政策の伝達を妨げることをECBは容認しないと明確にしている。これは極めて重要だ」と述べた上で、「市場のパニックや流動性の低下が本質的に金融政策を阻害するような状況を許してはならない」と論じた。

原題:ECB Sees Market Repricing But Not Disorderly Dynamics, Lane Says(抜粋)

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