アクティビスト投資家、日本企業への提案が過去最高-今年の株主総会

AI要約

国内での株主アクティビズムの高まりを反映し、株主総会シーズンでは過去最多の企業が提案を受けている。

多くの企業が財務関連の提案を受けており、環境関連や経営陣とのエンゲージメントに関する提案もある。

株主総会の開催がピークに達し、投資家の意識の変化も見られる中、株主提案が受け入れられる可能性が高まっている。

(ブルームバーグ): 国内での株主アクティビズムの高まりを反映し、6月末にピークを迎える今年の株主総会シーズンではこれまでで最も多くの日本企業が株主提案を受けている。

三井住友信託銀行の7日時点の集計によると、機関投資家から株主提案を受けた上場企業は45社と昨年、一昨年の44社を上回り、過去最高を更新した。提案内容は増配や自己株式取得など財務関連が36社と最も多く、環境関連の開示や経営陣の投資家とのエンゲージメントに関するものなど多岐にわたる。

東京証券取引所のまとめでは、3月決算の上場企業の約98%に当たる2100社以上が今後2週間に株主総会を開く見通しだ。ピークとなる27日には650社が開催予定。大半が従来通りの参加型の会合だが、一部はオンライン形式、オンラインと参加型双方のハイブリッド形式となっている。

根強い株主総会の6月開催、集中率59%に-ガバナンス改革の遅れ懸念

株主総会では会社提案がほぼ100%承認され、株主提案はほぼ否決されるのが恒例だ。ただ、近年の企業統治改革や、東証による資本コストや株価を意識した経営への要請を受け、投資家の意識も変わり始めている。日本の主要な資産運用会社の中にも企業価値向上に資するとみられる株主提案には賛成する方針を示すところがあり、株主提案が受け入れられる素地は整いつつある。

主な株主提案

デンマークのKapitalforeningen MP Investが、気候変動に関連したトヨタのロビー活動が同社に与える影響とパリ協定との整合性に関し、包括的な報告書を毎年発行するよう提案

英パリサー・キャピタルが、資本配分政策の公表と、オリエンタルランド株式の持ち分割合を2026年3月末までに15%未満に減少させることを提案

日本グローバル・グロース・パートナーズ・マネジメントが、剰余金処分や総額200億円の自社株買い、資本コストの開示などを提案

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