世界的な利下げ本格化まだか、主要4中銀が今週に金融政策決定

AI要約

先進国中銀が利下げサイクル参加をためらう姿勢を示す可能性が高い

米国や英国の金融当局が利下げを開始するほどディスインフレに確信がないことを示唆

カナダやスイスを含む各国中銀が利下げに慎重な姿勢を示している

(ブルームバーグ): 先進国で主要4中央銀行が政策決定を行う今週、各国中銀は世界的な利下げサイクルへの参加をためらう姿勢をあらわにするかもしれない。

米金融当局は先週、年内の金融緩和見通しを後退させた。その数日後となる今週、英国やオーストラリアなどの当局者は利下げを開始するほどディスインフレをまだ確信していないことを示唆する可能性が高い。

6月は当初、一連の世界的な利下げの幕が開く月になると見込まれていたが、慎重姿勢が幅広く示される結果にますますなりそうだ。

カナダは5日、主要7カ国(G7)で最初に利下げに動いたが、その翌日の欧州中央銀行(ECB)の利下げはインフレ予測の引き上げを伴い、追加緩和への熱意が限定的であることが示された。

ECBは7月利下げをほぼ除外、9月も一部委員が疑問視-関係者 (2)

20日に金融政策決定を発表するイングランド銀行(英中央銀行)では、間近に迫った総選挙と長引く物価上昇圧力で、少なくとも8月まで利下げを待つとの根拠が強まりそうだ。

オーストラリアとノルウェーも今週会合を開くが、いずれも利下げを急いでいない。また、スイス国立銀行(中央銀行)は3月、近隣諸国に先駆けて利下げする大胆な動きに出たが、当面は2回目の利下げを回避する可能性があると調査対象のエコノミストの半数はみている。

一方、ブラジルは金利据え置きが見込まれている。

ブルームバーグ・エコノミクス(BE)は「数週間前までは利下げの様相がもっと強かったが、主要中銀は金利を据え置くと見受けられる。英中銀は総選挙を控えた6月に政策を据え置くことがほぼ確実で、スイス中銀については予想が割れている」と分析した。

米国の小売売上高や中国の各種統計に加え、英国と日本の消費者物価指数(CPI)も、今週の市場の注目材料となるだろう。

原題:Global Rate-Cut Juggernaut Is Struggling to Start: Eco Week(抜粋)