リニア工事で井戸などの水位低下、JR東海の対応策を静岡県が了承

AI要約

静岡県とJR東海がリニア中央新幹線のトンネル掘削工事に関する水位低下問題で対応策を了承した。

水位低下を報告しなかったJR東海社に対する懸念が広まっていたが、対応策が専門部会によって技術的に確認された。

国のモニタリング会議ではリスク管理の強化と情報提供改善が求められ、JR東海も一般の人々に調査状況を可能な限り公開する方針を示した。

 リニア中央新幹線のトンネル掘削工事が行われている岐阜県瑞浪市で井戸などの水位が低下した問題を巡り、静岡県は14日、JR東海が静岡県境付近でボーリング調査を行う際に講じるとした対応策について、了承すると同社に通知した。同社は地下水位の確認頻度を増やし、速やかに県に報告するなどの対応策を提示していた。

 この問題を巡っては、同社が今年2月に水位低下を確認したのに5月まで岐阜県に報告しなかったとして、同社の報告体制に懸念を示す声が静岡県内の首長らから上がっていた。県は同社の対応策について、「より一層リスク管理が強化されると(専門部会によって)技術的に確認された」としている。

 一方、水資源や環境保全に関するJR東海の対策を確認する国のモニタリング会議の矢野弘典座長は14日、視察先の静岡市内で報道陣の取材に応じ、「不測の事態に対しリアルタイムで共有することが大事。(会議で)早くレスポンスすることを方向づけたので再発しないだろう」と話した。同社の宇野護副社長は「情報提供の方法に改善の余地がある。一般の方にもボーリング調査の状況などをつぶさに見ていただけるよう努めたい」と話した。

 同会議は14日まで、工事の発生土を置く計画地や大井川上流の田代ダムなどを3日間かけて訪問。矢野座長は「山梨工区のボーリング調査も視察したい」と話した。