フランスの開発銀行、グリーン債募集を延期-選挙控え市場不安定化で

AI要約

フランスの国有開発銀行である地方金融公社(SFIl)が、総選挙を控えてグリーンボンドの募集を延期した。

国民連合(RN)が選挙で勝利した場合の財政政策の懸念から、仏国債が不安定化している。

SFILは地方自治体や公立病院向けの融資のために資金を調達し、再生可能エネルギーや都市交通プロジェクトに資金を提供する予定。

(ブルームバーグ): フランスの国有開発銀行である地方金融公社(SFIl)は14日、グリーンボンドの募集を延期した。事情に詳しい関係者が明らかにした。

月末から行われることになった総選挙を控えて仏国債は今週暴落している。延期は仏市場のボラティリティーが理由だと、別の関係者が述べた。

SFILは13日には少なくとも5億ユーロ(約840億円)の資金調達を目指して、6つの銀行に5年債の売却の手配を委託していた。

マリーヌ・ルペン氏率いる極右政党「国民連合(RN)」が選挙で勝利した場合、より放漫な財政政策が導入されるとの懸念から仏国債が不安定化した。

マクロン大統領は欧州議会選挙で自身の党が大敗を喫したことを受け、9日に解散総選挙を決めた。仏国債は売られ、10年債のドイツ債とのスプレッドは14日、一時76ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、2017年以来の大きさとなった。

SFILは地方自治体や公立病院向け融資のために資金を調達する。グリーンボンドは再生可能エネルギーや都市交通プロジェクトに資金を提供するために計画されている。事情に詳しい関係者によると、SFILは近い将来にあらためて募集を開始する計画。

SFILはブルームバーグ・ニュースのコメント要請に即座には応じなかった。委託を受けていた6銀行はバークレイズ、クレディ・アグリコルCIB、ラ・バンク・ポスタル(郵便貯蓄銀行)、モルガン・スタンレー、ナティクシス、ソシエテ・ジェネラル。ナティクシスとラ・バンク・ポスタルはコメントを控え、他の銀行はコメント要請に即座には応じなかった。

原題:French Development Bank SFIL Pulls Bond Sale Amid Election Angst(抜粋)

--取材協力:Tiffany Tsoi.

(c)2024 Bloomberg L.P.