〔米株式〕NYダウ続落、35ドル安=米利下げ後ろ倒し見方で(12日)☆差替

AI要約

ニューヨーク株式相場は利下げ期待の後退で続落し、ただしハイテク株は強い動きを見せた。

FRBの利下げ回数の見通しが下方修正され、市場は驚きを示した。

CPIのインフレ鈍化が影響し、ハイテク大手が上昇する一方、生活必需品や一般消費財は弱かった。

 【ニューヨーク時事】12日のニューヨーク株式相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げが後ろ倒しになるとの見方が強まり、続落した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比35.21ドル安の3万8712.21ドルで終了。一方、IT銘柄などがけん引し、ハイテク株中心のナスダック総合指数は264.89ポイント高の1万7608.44と、3日連続で過去最高値を更新して引けた。

 ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比5939万株増の9億2277万株。

 朝方発表された5月の米消費者物価指数(CPI)はインフレの鈍化を示す内容で、ダウ平均は取引開始直後に一時370ドル超上昇。ただ、午後にFRBの金融政策決定を控える中で上げ幅を縮めた。終盤には、FRBによる年内の利下げ回数の想定が従来の3回から1回に減ったことが嫌気され、マイナス圏に沈んだ。

 市場参加者からは「利下げ回数の想定は2回に減るとみていたが、1回になったのは衝撃だった」(日系証券)と驚きの声が聞かれた。一方で、声明にインフレ鈍化の進展を認める表現も盛り込まれるなど、「それほどタカ派的な印象ではない」(同)という。

 CPIが好感されてハイテク大手の多くが値上がりした半面、生活必需品や一般消費財などが弱かった。ダウ銘柄ではナイキが2.3%安、セールスフォースが2.2%安、ベライゾン・コミュニケーションズとビザがいずれも1.6%安。一方、アップルが2.9%高、ホーム・デポが2.5%高、マイクロソフトが1.9%高。