ヘッジファンド、モメンタムトレードの波に乗る-ほぼ全戦略で利益

AI要約

モメンタムに後押しされ、ヘッジファンドは幅広い市場で好調な成績を収めている。

信頼できる取引パターンを活用し、ファストマネー戦略が成功を収めている。

先物市場やニッチなプレーヤーも含め、様々な戦略が好調な結果を出している。

(ブルームバーグ): モメンタムが後押しするさまざまな市場へのエクスポージャーを拡大した結果、ヘッジファンドは今年、幅広い戦略が成果を上げている。

日本株、人工知能の恩恵を受ける企業、カカオ豆など、一方向に上昇あるいは下落する資産に賭けることで、ほぼ全ての市場で利益が出ている。

同時に、米国では金利が高いながらも安定しているため、ストックピッカーは利益の伸びやバランスシートに積み上がった現金など昔ながらのファンダメンタルズに注目することで、勝ち組と敗け組を見分けることができる。

ヘッジファンド・リサーチの調査によると、信頼できる取引パターンのおかげで、ファストマネー戦略を追跡する106の指数のうち104が今年上昇している。その結果、業界全体の指標は5.6%の上昇となり、2010年以降で2番目に好調な年前半となった。

マン・グループでエクスターナルアルファ戦略の最高投資責任者(CIO)を務めるアダム・シングルトン氏は「ヘッジファンドのパフォーマンスを見渡すと、すべてが良いと非常に良いのレンジ内に収まっている。これほど広範囲にわたって好調なのは非常に珍しい」と話した。

ヘッジファンドの年初来の平均リターンは米国株への単純な投資に後れを取るが、平均値の影にはモメンタム主導の先物トレーダーなどのはるかに大きなリターンが隠されている。

ソシエテ・ジェネラルがまとめた指数によると、先物市場で取引するトレンド追随のファンドは5月末までに12%のリターンを上げている。金融政策や貿易政策から政治動向まで、あらゆるものに賭けるマクロファンドのパフォーマンスを追跡するヘッジファンド・リサーチの指数は7.8%のプラス。

元メリルリンチのオプショントレーダーが設立したマルバニー・キャピタル・マネジメントのようなニッチなプレーヤーは、ココアなどのコモディティーのトレンドに乗ったことで、5月までに約150%上昇した。DUNNキャピタル・マネジメントの8億ドル(約1300億円)の旗艦ファンドは、日本株と短期債のポジションが奏功し、22%のリターンを上げた。