「メールの返信は90分以内」リピート率90%を誇るデキる人がやっている「神アフターフォロー」

AI要約

営業研修トレーナーの伊庭正康さんが、顧客の満足度を高めるためには納品後に「感動の接点」を作ることが重要だと語っている。

紹介を増やすためには、アフターフォローに熱を入れ、お客様の立場に立って考えることが大切である。

新規顧客獲得よりも既存顧客からのリピートがコスト効率よく、丁寧なフォローがリピート率向上につながることが示唆されている。

顧客の満足度を高めるには何をすればいいか。営業研修トレーナーの伊庭正康さんは「私は、21歳の学生時代に営業職に就き30年、従事した仕事でリピート率が9割を下回ったことはない。その要因は納品後、『ここまで、やってくれるんだ……』と思ってもらえる“感動の接点”をつくることにある。丁寧なフォローこそがリピートと紹介につながる」という――。

 ※本稿は、伊庭正康『トップ営業の気くばり 「あなたから買いたい」と言われる47の秘訣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

■もっと紹介を欲しいなら「熱量」の入れどころをズラす

 なかなか、「紹介ください」と言えない……。

 その気持ち、わかります。

 でも、もっと紹介をほしくないですか。

 いい方法を紹介しましょう。これをすると、紹介をもらいやすくなります。

 ほとんどの人がやっていない秘策です。

 あなたの「熱量の入れどころ」を変えてみてください。

 「アフターフォロー」に熱を入れてみるのです。

 考えてみてください。

 契約までは、他社には負けないようお客様に寄り添った提案をしたり、お役に立つ情報もお届けしたりする人は多いですよね。

 お礼のメールに、抜かりない人も少なくないでしょう。

 脈があると思えば、これでもかと思うほどに、小まめに努力します。

 でも、お客様からすると、不思議なことが起こります。

 契約までは、「お役に立てるよう、精一杯頑張ります」と言っていたのに、契約をし、商品を納品したとたん、なぜか「不便なことはないですか?」「ご不明な点はありませんか?」「お使いいただいて、ご満足をいただいていますか?」といった連絡がなくなるのです。

 だから、お客様は思います。

 「まあ、営業だしね。仕方ないよね……」と。

 私は、冒頭でこう尋ねました。

 もっと紹介をほしくないですか、と。

■契約後こそ、お客様の立場で考える

 私がやってきた、具体的な方法を紹介しましょう。

 私は、21歳の学生時代に営業職に就き、あれから30年以上が経ちますが、従事した仕事でリピート率が9割を下回ったことはありません。

 紹介で多くのお客様を紹介いただいてきました。

 さらに言うなら、自分自身もそうですが、自分が管理職として担当した部門も、リピートとご紹介でお客様が増え続けるスパイラルをつくることで、売上を増やしてきました。

 その方法がこれ。

 納品後、「ここまで、やってくれるんだ……」と思っていただける、そんな“感動の接点”をつくるのです。

 かつて私は求人メディアの営業に従事していましたが、ほとんどの営業は、掲載(納品)後の関心が低くなってしまうのが常でした。

 新たな契約を求める中で、意図せずそうなってしまうのです。

 でも、ここでお客様の立場に立ってみるとどうでしょう。

 すると、掲載後には、色々な不安があることに気付けます。

 「応募はあるけど、どのタイミングで面接の打診をすればよいのか?」

「どうすれば、面接のキャンセルを予防できるのか?」

「どんな面接をすれば、いい人材を見抜けるのか?」

■新規顧客は既存顧客に対して5倍の販売コストがかかる

 だとしたら、やることはシンプル。

 私がしたことは、「応募、選考のやり方」についての不安点を聞き、選考のセオリーをレクチャーさせていただくことでした。

 加えて、応募が入ると思われるタイミングに、電話、もしくはメールを入れ、ご不安な点がないかをさらに伺う、そんな当たり前のことを漏れなくするだけです。

 ぜひ、他社の営業より、アフターフォローに熱を入れてみてください。

 新たな顧客開拓を行うより、リピートから契約をいただく方が1/5のコストで済むと言われます。

 これはマーケティングでは有名な法則。顧客ロイヤルティの専門家フレデリック・F・ライクヘルド氏によって提唱されたもので、新規顧客は既存顧客に対して5倍の販売コストがかかるという法則です。

 営業としては知っておいた方がよいセオリーでしょう。

 そう考えると、走り回ったりDMを送りまくったりするより、1つひとつのフォローを丁寧にした方がよほど効率的というわけです。

 丁寧なフォローこそがリピートにつながるだけでなく、紹介をいただけるポイントなのです。