時価総額が大きい「銀行株」は堅調な動き続き軒並み高 無視できないネット銀行の「住信SBI」「楽天銀行」

AI要約

自動車量産に必要な「型式指定認証」を巡り、トヨタ自動車、マツダ、ヤマハ発動機、ホンダ、スズキの5社に不正行為が発覚。

不正行為は形式指定申請手続きにおける問題に留まり、安全性や環境性能に影響はないと報告。

自動車株の株価は影響を受けず、銀行株は金利上昇により堅調な動き。銀行株の象徴的存在はメガバンク3行。

【株式フジ】

6月3日、自動車量産に必要な「型式指定認証」を巡り、トヨタ自動車(7203)、マツダ(7261)、ヤマハ発動機(7272)、ホンダ(7267)、スズキ(7269)の5社、計38車種に不正行為が明らかになりました。

国土交通省が関連メーカーに求めた内部調査で判明。同省は道路運送車両法に基づき、トヨタをはじめ各社に立ち入り検査を実施しています。

日本車の信頼を揺るがしかねない不正発覚ですが、各社とも安全性や環境性能に問題はなく、あくまでも形式指定申請手続きにおける問題に留まるとしています。大手証券でも「業績への悪影響は一時的で、(株価への)過度な懸念は不要」との見方を示しています。

翌4日の東京株式市場でも、現行生産車種に問題があったトヨタ自動車、マツダ、ヤマハ発動機の株価が急落したわけではありません。銘柄数が多く、時価総額も大きい自動車株のことですのでヒヤッとしたのは事実ですが、投資家の判断は冷静だったと言っていいでしょう。

一方、自動車株と同様に銘柄数が多く時価総額が大きい「銀行株」は総じて堅調な動きを続けています。金利上昇による収益への好影響が期待され、ほぼ軒並み高の状況です。時価総額の増減を映す主要な株価指数のひとつTOPIX(東証株価指数)の年初来高値は3月22日につけた2812・22ポイントですが、銀行株の上昇が寄与し、足元、それに迫る動きとなっています。

銀行株は銘柄数が多く、個人投資家からは「とっつきにくいセクター」と思われているかもしれません。しかし、整理すると、象徴的な存在はメガバンク3行。「三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)」、「三井住友フィナンシャルグループ(8316)」、「みずほフィナンシャルグループ(8411)」です。

これに次ぐのが大手行の「りそなホールディングス(8308)」、「三井住友トラスト・ホールディングス(8309)」。さらに、地域ごとにある地方銀行では、福岡銀行を中心に九州地銀4行を擁する「ふくおかフィナンシャルグループ(8354)」、横浜銀行が中心の「コンコルディア・フィナンシャルグループ(7186)」、千葉県で断トツの存在「千葉銀行(8331)」などが上位行です。

このほか、ネット銀行の「住信SBIネット銀行(7163)」、「楽天銀行(5838)」もあります。東京市場の中心的な存在となっているため無視することはできません。 (株式ジャーナリスト 天海源一郎)