債券トレーダーの強気復活、ハト派ヘッジに資金-米利下げ前倒し観測

AI要約

米国債相場が反発し、利益を得る投資を模索する債券トレーダーが増加している。

10年国債利回りの低下や連邦準備制度の利下げ予想の前倒しなど、市場の動きに影響されて投資家たちは戦略を調整している。

オプション市場にはヘッジの動きもあり、金融政策の行方に注目が集まっている。

(ブルームバーグ): 債券トレーダーが再びハト派に傾き、米国債相場が反発する中で、米連邦準備制度の利下げペースが速まれば、利益が得られる投資に押し寄せている。

連邦準備制度が選好する個人消費支出(PCE)価格指数は、4月の伸び率が前年同月比2.7%と前月から横ばいとなり、米供給管理協会(ISM)が発表した5月の製造業総合景況指数も予想を下回り、米国の10年国債利回りは、最近数営業日で0.25ポイント余り下げた。4月の求人件数が予想以上に減少したことで、利回りはさらに低下した。

スワップトレーダーは、連邦準備制度による最初の25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利下げの予想時期を12月から11月に前倒ししている。JPモルガンのトレジャリー顧客調査によると、現物市場でもアウトライト・ロングポジションが3月以来の高水準に達し、勢いをうかがわせる。

JPモルガン・インベストメント・マネジメントの債券エグゼクティブディレクター、ケルシー・ベロ氏は4日、ブルームバーグテレビジョンに対し、「連邦準備制度が次に打つ手は、インフレとの闘いに必要な対応でなく、労働市場の強さを守る対応に結局なるだろう。インフレはおおむね抑制されていると考える」と見解を示した。

強気の復活に伴い、建玉(未決済約定)の最近のパターンはショートカバーを示唆しており、3日の相場上昇を受け、10年国債先物のリスクも著しく低下した。

一方、オプション市場には、米金融政策の軌道を密接に反映する担保付翌日物調達金利(SOFR)に連動するハト派ヘッジの資金が新たに流入している。

原題:Bond Traders Pile Into Fresh Bets on Faster Pace of Fed Cuts(抜粋)

--取材協力:Carter Johnson、Ye Xie.

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