「おすすめは何ですか?」と聞かれたとき、感じのいい人は何と答える?

AI要約

感じのいい人が「おすすめは何ですか?」と聞かれたときの対応について紹介

「おすすめ」を求める際の目的と、提供側の対応について考察

ビジネスパーソンにとっての気づかいとサービス提供の重要性について述べられている

「おすすめは何ですか?」と聞かれたとき、感じのいい人は何と答える?

 「おすすめは何ですか?」と聞かれたとき、感じのいい人は何と答える?

それを語るのは、「感じのいい人」に生まれ変われるとっておきのコツを紹介する書籍『気づかいの壁』の著者・川原礼子さんです。職場で困っている人を見かけても、「おせっかいだったらどうしよう…」と躊躇したり、「たぶん大丈夫だろう…!」と自分に言い訳したり……。気づかいをするときには、つい「心の壁」が現れてしまい、なかなか一歩が踏み出せないことが、あなたにもあるのではないでしょうか? この連載では、「顧客ロイヤルティ(お客さまとの信頼関係づくり)」をベースに、ビジネスセミナーへの登壇やコミュニケーションスキルの研修講師を通して、全国200社・2万人以上のビジネスパーソンに向けて教えてきたノウハウを、さらにわかりやすくお伝えします。本稿では、本書には入りきらなかった「気づかいのコツ」について紹介しましょう。

● 「おすすめは何ですか?」

 あなたは、商品を選ぶ際、担当者の人に「おすすめ」を聞くことがありませんか?

 私は電化製品に明るくないので、電気量販店の販売担当さんは救世主です。

 いつも頼りにさせていただいています。

 「おすすめ」は、一般の店舗ならPOPに書かれていたり、飲食店なら「本日のおすすめ」というメニューが用意されているところもあります。

 これは、若手ビジネスパーソンたちから聞いた、ある和食店の話です。

 そのお店を利用した際、「本日のおすすめ」というメニューに書かれた2種類の魚料理のうち、どちらが「よりおすすめ」かをスタッフさんに尋ねたそうです。

 すると、スタッフさんからは、

 「どちらも、おすすめです」

 と返ってきたそうです。

 それを聞いて、「やる気がないとしか思えなかった」「結局、魚料理は注文せずに、その日は帰った」とのことでした。

 もしかしたら、勧めても、気に入られないかもしれない、という不安があったのかもしれません。

 そんな心の壁が立ちはだかっていた可能性はありますよね。

● 質問した「目的」を考えてみよう

 ただ、考えてみると「質問」には、「目的」があります。

 先ほどのおすすめを聞いた目的は、「注文するものを決めたい」ということになるでしょう。

 もし、提供側からおすすめを伝えられなくても、相手に決めてもらうための情報なら提供することができます。

 料理であれば、味付けやボリューム、取り分けやすさなどが、それにあたります。

 「どちらもおすすめですが、『あっさり』のほうがよいですか?」

「お腹の具合いは、まだ余裕がありそうですか?」

 というように、もう一歩踏み込んだ返答ができたはずです。

 「お客様の目的に一歩でも近づけられるようにするのが、サービス提供者の気づかい」ということです。

 ビジネスパーソンも、商品の特徴を説明してもなお、お客様から「正直、どっちがいいですか?」と聞かれることがあります。

 あなたからは一つを限定できないならば、「決め手」になる情報、材料を提供しましょう。

 そして、いざというときにあたふたしないよう、あらかじめそれらを用意しておくが、ビジネスパーソンの気づかいです。

 せっかくのビジネスの、機会損失となっては、もったいないですからね。

 (本記事は、『気づかいの壁』の著者・川原礼子氏が特別に書き下ろしたものです。)

川原礼子(かわはら・れいこ)

株式会社シーストーリーズ 代表取締役

元・株式会社リクルートCS推進室教育チームリーダー

高校卒業後、カリフォルニア州College of Marinに留学。その後、米国で永住権を取得し、カリフォルニア州バークレー・コンコードで寿司店の女将を8年経験。

2005年、株式会社リクルート入社。CS推進室でクレーム対応を中心に電話・メール対応、責任者対応を経験後、教育チームリーダーを歴任。年間100回を超える社員研修および取引先向けの研修・セミナー登壇を経験後独立。株式会社シーストーリーズ(C-Stories)を設立し、クチコミとご紹介だけで情報サービス会社・旅行会社などと年間契約を結ぶほか、食品会社・教育サービス会社・IT企業・旅館など、多業種にわたるリピーター企業を中心に“関係性構築”を目的とした顧客コミュニケーション指導およびリーダー・社内トレーナーの育成に従事。コンサルタント・講師として活動中。『気づかいの壁』(ダイヤモンド社)が初の著書となる。