“日本車の聖地”として外国人が殺到、首都高最大のパーキングエリア「大黒PA」のリアル

AI要約

大黒PAは、車好きの聖地として知られる場所であり、外国人観光客の増加による問題が報道されている。

報道によると、外国人が増えるだけでなく、不法侵入やタクシー返却で立ち往生する事例も発生している。

実際に訪れた際には、多くの日本製スポーツカーやクラシックカーが集まり、外国人観光客も多く見られた。

“日本車の聖地”として外国人が殺到、首都高最大のパーキングエリア「大黒PA」のリアル

■「車好きの聖地」として知られる場所

 首都高湾岸線を東京方面から南下、美しい斜張橋、鶴見つばさ橋を渡り、さらにその先に横浜ベイブリッジが見えるあたりに、首都高最大のパーキングエリア、大黒パーキングエリア(PA)がある。

 このPAは以前から、スポーツカーやクラシックカーが集まる「車好きの聖地」としてカーマニアなどには知られていたが、今年になって問題視する報道が増えている。

 たとえば、1月に地元紙の神奈川新聞が、「横浜・大黒PAの脚光と困惑 車好き外国人観光客が大挙 問題も急増」という特集記事を掲載したほか、5月下旬には、テレビ朝日系列の朝の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」で、やはり「大黒PA外国人観光客が殺到」と題した24分の特集が放送された。

 どちらも、ただ外国人が集まるだけでなく、敷地の外から壁を乗り越えてエリア内に不法侵入したり、タクシーで乗り付けたものの、そのタクシーを返してしまったために帰れなくなる外国人がいたりと、いわゆるオーバーツーリズムが起きているという内容であった。

 そこで、実際どんな状況なのか、2024年6月1日土曜日の夕方、実際に大黒PAに立ち寄ってみた。

【写真】“聖地化”した大黒パーキングエリア。外国人が日本のスポーツカーや旧車にカメラを向ける

 大黒PAは、横浜港の入口に浮かぶ埋め立ての島、大黒ふ頭にある。

 首都高湾岸線と神奈川5号大黒線との交点である大黒ジャンクション(JCT)のループに囲まれるような立地だが、駐車可能台数は大型車・小型車あわせておよそ400台と、首都高のPAの中では最大だ。

 横浜ベイブリッジと鶴見つばさ橋との間にあるため、重層的なジャンクションと合わせて近未来的な景観が楽しめるのも特徴である。

 午後6時、まだ十分明るい時間に大黒PAに到着すると、駐車スペースは8割がた埋まっていた。

 報道のとおり、日本製のスポーツカーや公道上ではほとんど見かけなくなったといってよい1980年代のトヨタ「マークⅡ」などが並んでいて、その様子はショッピングモールの駐車場などとは明らかに違うクルマの見本市のようだ。

 そして、そうしたクルマを見に来たマニアとおぼしき人たちが、何十人も駐車スペース脇にたむろし、スマホだけでなく、長い望遠レンズを取り付けた本格的な一眼レフカメラでシャッターを切っている。そのうち、欧米系や中国系など、おおよそ半分強が外国人であることが見て取れた。