韓国、原発4基追加建設案…無炭素70%に拡大

AI要約

韓国政府が脱原発政策を破棄し、新たに原発4基を建設する計画を進めている。同時に新再生可能エネルギーの拡大も計画されている。

電力需給基本計画草案には2038年までに原発4基を建設する案が盛り込まれ、さらに新再生可能エネルギーも拡大する計画が明らかになった。

その背景として、電力需要の増加や環境への配慮が挙げられ、2030年までに無炭素エネルギー比率が急速に上昇する見通しとなっている。

韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が文在寅(ムン・ジェイン)前政権の「脱原発」政策を破棄する方向に進む中、原発4基を新たに建設する青写真が出てきた。また新再生可能エネルギー(新エネルギー+再生可能エネルギー)も拡大するという。

電力需給基本計画総括委員会は31日、第11次電力需給基本計画(以下、電基本)草案を発表した。電基本は電気事業法に基づき安定した中長期電力需給のために政府が2年ごとに樹立する行政計画。この日、大学教授など専門家で構成された諮問機構が草案を出し、今後、産業通商資源部が関係部処協議で修正案を用意する予定だ。その後、公聴会などを経て最終案を確定する。

今回の電基本草案には2038年までに原発4基を建設する案が盛り込まれた。大型原発3基、小型モジュール原発(SMR)1基だ。2015年の第7次電基本に原発2基(新ハンウル3・4号機)建設計画が反映されて以来9年ぶりに新規原発建設の可能性が高まった。SMRは原発より安全性などが高いため次世代原発と評価される。SMR導入計画が電基本に含まれたのは今回が初めて。

原発の新規建設案が出たのは、急増する電力需要に現在の発電設備では対応できないという判断のためだ。電基本では2038年の最大電力需要が129.3GWと、昨年の最大値98.3GWより30%以上増えると見込んでいる。竜仁(ヨンイン)半導体国家産業団地が建設され、人工知能(AI)拡散でデータセンター数が増えるという予想に基づいた判断だ。

複数の発電源のうち原発を選択したのは、世界的な炭素削減の流れの中、環境にやさしく値段が安いうえ電力供給が安定的だからだ。委員会は太陽光・風力など新再生可能エネルギーも2038年までに115.5GWに拡大する計画だ。第10次電基本最終案の99.8GWより拡大した。2030年基準で太陽光は44.8GWから53.8GWに、風力は16.4GWから18.3GWに増える。

これを受け、昨年40%に達しなかった無炭素エネルギー比率は2030年に52.9%、2038年には70.2%に高まる見通しだ。ソウル大エネルギーシステム工学部のホ・ウンニョン教授は「特定エネルギー源を無理に排除するのではなく、原発と新再生可能エネルギーを共に増やすというのは、経済主体の予測可能性を害しないという点で望ましい」と述べた。