バイデン政権が国境管理強化へ 寛容姿勢一転させ「封鎖」も検討

AI要約

バイデン米大統領が南部国境管理を強化する大統領令を検討している。不法越境が一定数を超えた場合に国境を封鎖する条項が盛り込まれ、6月4日にも発令される見通し。

バイデン政権は移民に寛容な姿勢を一転させ、国境管理の混乱を収拾したい。トランプ前大統領からの批判を受け、支持回復を図る狙い。

メキシコへの影響も考慮し、6月2日のメキシコ大統領選を待って国境封鎖を発令する方針。移民希望者殺到により国境管理が混乱、再選への影響が懸念されている。

バイデン政権が国境管理強化へ 寛容姿勢一転させ「封鎖」も検討

 AP通信は5月30日、バイデン米大統領がメキシコと接する南部の国境管理を強化する大統領令を検討していると報じた。不法越境が一定数を超えた場合に国境を封鎖する条項が盛り込まれ、6月4日にも発令される見通しだという。11月の大統領選に向けて共和党のトランプ前大統領から「国境の混乱」を厳しく批判される中、移民に寛容な姿勢を一転させて支持回復を図りたい考えだ。

 報道によると、バイデン氏は1週間の不法越境者が1日平均4000人を超えた場合、国境を封鎖できるようにする案を検討している。国境政策はメキシコへの影響も大きいため、6月2日のメキシコ大統領選を待って発令する方針。

 バイデン政権は2021年1月に発足した当初、トランプ前政権が進めた「国境の壁」建設を停止するなど、移民に寛容な姿勢を見せていた。しかし、移民希望者が殺到して、亡命申請を審査する手続きが追いつかず、不法越境者も過去最多を記録。国境管理が混乱しているとの印象が広がり、再選を目指すバイデン氏の「泣き所」になっている。【ワシントン秋山信一】