中国がガザでの停戦推進へアラブ諸国と共同声明 連携し米に対抗する狙いも

AI要約

中国政府は中東のアラブ諸国と地域間協力について話し合う「中国・アラブ諸国協力フォーラム」を開催し、パレスチナ問題に関する共同声明や中東情勢の複雑化に対応する姿勢を示した。

習近平国家主席は演説で、ガザでの停戦推進や正義の重要性を強調し、国際的な講和会議開催を呼び掛けた。さらに、中国は中東での影響力拡大を図り、米国との関係に対抗する狙いもあると見られる。

中国・アラブ関係を強化し、人工知能、宇宙・航空、金融、エネルギー分野での協力を呼び掛けた習近平氏は、中国とアラブ諸国の首脳会議を2026年に開催する意向を表明した。

中国がガザでの停戦推進へアラブ諸国と共同声明 連携し米に対抗する狙いも

【北京=三塚聖平】中国政府は30日、中東のアラブ諸国と地域間協力について話し合う「中国・アラブ諸国協力フォーラム」を北京で開いた。中国外務省によると、パレスチナ自治区ガザでの戦闘停止の推進を掲げた共同声明など3つの成果文書を採択した。イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの戦闘激化で中東情勢が複雑化する中、中国は中東地域で影響力拡大を図っている。

採択した「パレスチナ問題に関する中国とアラブ諸国の共同声明」では、ガザでの停戦推進や人道支援確保を明記した。また、イスラエルとパレスチナの「2国家共存」を基礎としたパレスチナ問題の早期解決に関し、中国とアラブ諸国が「重要な共通認識」に達したと盛り込んだ。

習近平国家主席は開幕式で演説し、ガザに関し「戦争は終わりなく続くことはできず、正義が永遠に不在となることもあり得ない」と発言。国際的な「講和会議」開催を呼び掛け、パレスチナ国家の樹立や国連加盟に支持を表明した。

バイデン米政権がイスラエルを支援しており、アラブ諸国との連携姿勢を示して米国に対抗する狙いも透ける。中国は昨年、サウジアラビアとイランの外交関係正常化を仲介した。

習氏は演説で「中国・アラブ関係を世界の平和と安定を守るための手本にしたい」と述べ、人工知能(AI)や宇宙・航空、金融、エネルギーなどの分野で協力を呼び掛けた。

習氏は「中国・アラブ関係の飛躍的な発展を引き続き推進したい」とし、第2回となる中国とアラブ諸国の首脳会議を2026年に中国で開くと表明した。

開幕式には、エジプトのシーシー大統領のほか、バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)、チュニジアの国家元首が出席した。