1930年代に貸し出された小説、84年ぶり返却=フィンランド

AI要約

フィンランドのヘルシンキ中央図書館には、1925年に出版されたアーサー・コナン・ドイルの『難民』のフィンランド語翻訳版が長期延滞の状態で返却された。

司書は長期延滞の理由を1939年に起きた冬戦争と推定し、貸出者が戦争の影響で本の返却を忘れた可能性があると語った。

返却された本は大衆に再び貸し出されることが決定され、非常に良い状態であると述べられた。

1930年代に貸し出された小説、84年ぶり返却=フィンランド

フィンランドのヘルシンキ中央図書館によると、返却された本は英国推理小説の大家、アーサー・コナン・ドイルの『難民』のフィンランド語翻訳版だ。原作は英国で1893年に出版され、今回返却された本は1925年フィンランドで出版された。ジャンルは歴史小説で、17世紀のフランスを背景にしている。

​該当本を返却された司書ハイニー・ストランドさんは「貸出期限は1939年12月26日だった」として「このように長い間延滞された本を受け取ったことがない」と話した。

​本を返却した人と借り手の関係は知られていない。ただし、ストランドさんは「たいてい返却日から数十年後に返却される本は普通貸出者が死亡した後、遺品を整理しながら出てきたもの」と話した。

​ストランドさんは本の返却が遅れた理由が1939年11月、ソ連とフィンランドの間で起きた「冬戦争」のためだったと推定した。冬戦争は1940年3月まで続き、フィンランドは相当部分の領土をロシアに譲り渡した。

​ストランドさんは「返却日が近づいた時、本の返却が貸出者に一番先に思い浮ぶようなことではなかったかもしれない」として「戦争に生き残ったとしてもおそらく本を返すこと以外に他のことを考えていただろう」と付け加えた。

​ストランドさんによると、該当本は非常に良い状態で返却され、大衆に再び貸し出される可能性があると明らかにした。