金正恩氏「衛星打ち上げ失敗は成功の前提」…衛星保有を正当化、今後も打ち上げ強行の方針

AI要約

金正恩朝鮮労働党総書記が軍事偵察衛星打ち上げの失敗を認め、今後も強行する方針を示す。

国防科学院での演説では、エンジンの異常による失敗を説明し、打ち上げを正当化。

韓国に対し圧倒的な力量を持つと主張し、戦術核兵器開発を進める姿勢を示す。

 【ソウル=中川孝之】北朝鮮の朝鮮中央通信によると、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記は28日に国防科学院で行った演説で、27日の軍事偵察衛星の打ち上げ失敗を認めた。「失敗は成功の前提であり、挫折と諦めの動機にはならない」と述べ、今後も打ち上げを強行する方針を示した。

 国防科学院は偵察衛星やミサイルなどの開発に携わる組織。正恩氏は技術者らを前に演説し、「1段目のエンジンの異常のため、自爆システムの作動によって失敗した」と説明した。エンジンはロシアの技術支援で開発されたとの見方が出ているが、言及はなかった。

 偵察衛星の保有を巡っては「米国の挑発行為によって国家の安全に重大な変化が起きている状況下で、国家主権と安全を守る上で必須の課題になる」と主張し、打ち上げを正当化した。

 韓国軍が打ち上げに合わせて戦闘機の訓練などを行ったことについて「座視できない危険な挑発行為だ」などと非難し、「圧倒的な自衛権を行使すべきだ」と強調した。北朝鮮が開発を進める戦術核兵器を念頭に、「我が軍隊は作戦初期に韓国の基本的な攻撃力と指揮体系を崩壊させる圧倒的な力量を持っている」と韓国を威嚇した。