軍事力強化が目的 礒崎敦仁・慶応大教授 北朝鮮衛星打ち上げ識者談話

AI要約

北朝鮮の軍事偵察衛星の打ち上げは、日中韓の接近へのけん制を狙ったものではない。周辺国の動きに関わらず、北朝鮮は兵器開発や軍事力強化に取り組む姿勢を変えない。

北朝鮮の目的は、敵対国を正確に攻撃するための監視能力の向上であり、複数の衛星の打ち上げを計画している。今回の衛星打ち上げは技術の向上を目指したものであり、失敗したものの中長期的な成功に期待している。

中国は北朝鮮の衛星やミサイル発射には触れず、核開発には反対している。日中韓首脳会談の共同宣言に「朝鮮半島の非核化」が盛り込まれたことに対し、北朝鮮は反発している。

軍事力強化が目的 礒崎敦仁・慶応大教授 北朝鮮衛星打ち上げ識者談話

 礒崎敦仁・慶応大教授(北朝鮮政治)の話 北朝鮮の軍事偵察衛星の打ち上げは、日中韓の接近へのけん制を狙ったものではない。

 当面は周辺国がどのような動きをしても、北朝鮮が兵器開発や軍事力強化にまい進する姿勢に変わりはなく、日中韓首脳会談の有無にかかわらず打ち上げただろう。

 偵察衛星打ち上げの目的は、敵対国を正確に攻撃するための「目」を持つことだ。北朝鮮は日米韓に衛星で監視されていることに不快感を持っている。将来的に米軍などの動きを上空から見るため、複数の衛星の打ち上げを目指している。

 打ち上げは昨年3回行われ、今回は11月以来半年ぶりだった。新技術を導入したとされており、軌道投入前に失敗したものの、技術の後退とは言えず、中長期的な成功につなげたい考えなのではないか。

 北朝鮮の偵察衛星やミサイル発射に関して従来目をつむってきた中国は、今回も言及を避けた。一方、習近平政権は核開発については明確に反対の立場。日中韓首脳会談の共同宣言に「朝鮮半島の非核化」が盛り込まれたことに対して、北朝鮮は反発している。