EU、ロシアの凍結資産「利益」活用で最終合意 G7でも議論続く

AI要約

EU理事会がロシアの凍結資産から生じる「利益」をウクライナ支援に活用することを決定した。

対象は100万ユーロ以上のロシアの凍結資産を保有するEU域内の清算機関。

活用法に関する議論は今後のイベントで行われる予定。

EU、ロシアの凍結資産「利益」活用で最終合意 G7でも議論続く

 欧州連合(EU)の閣僚らでつくるEU理事会は21日、ロシアの凍結資産から生じる「利益」をウクライナ支援のために活用することで最終合意し、発表した。

 発表によると、100万ユーロ以上のロシアの凍結資産を保有するEU域内の清算機関が対象。今年2月15日以降に生まれた「利益」の9割が軍事支援、残りの1割が復興予算にあてられる。

 チェコ代表部によると、「利益」は年間25億~30億ユーロ(4200億~5100億円)を見込み、チェコのリパフスキー外相は「ロシアは自らが起こした戦争によって生じた損害を支払わなければならない」とX(旧ツイッター)で訴えた。

 EUやG7(主要7カ国)の国々はロシアによるウクライナへの全面侵攻を受け、制裁としてロシア中央銀行などが各国に持つ資産を凍結してきた。その総額は3千億ドル(約47兆円)前後に上る。

 ウクライナ政府は、凍結資産を完全に没収してウクライナ支援に活用するよう求めているが、「没収」について消極的な国もある。活用法については今月24、25日にイタリアで開かれるG7の財務相・中央銀行総裁会議や、来月のG7首脳会議(サミット)でも議論されることになっている。(ロンドン=藤原学思)