【米大統領選】トランプ当選の可能性はまだある、日本はリスク管理を怠るな

AI要約

アメリカと日本の次期リーダーが誰になるのかについて、両国の選挙状況や支持率などを検証。

アメリカではトランプ前大統領のゴルフ場での事件やアメリカ大統領選挙の支持率、日本では自民党総裁選挙の候補者状況を報告。

世論調査の結果や候補者のポジションについて、両国の次期リーダー選びの行方を予想。

 (舛添 要一:国際政治学者)

 アメリカと日本の次のリーダーは誰になるのか。アメリカでは大統領選挙、日本では自民党総裁選が行われている。アメリカでは11月5日、日本では9月27日に決まる。結果の予想は困難だが、両国関係に大きな影響を及ぼすことは確かである。

■ ハリスがリードも混戦模様

 9月15日午後、フロリダ州でトランプ前大統領がゴルフをしていたところ、銃を所持していた男が近くで見つかり逮捕された。58歳の容疑者は、熱心なウクライナ支援者で、トランプの対露政策に反対していたようである。

 7月13日に演説中に銃撃されて、耳の怪我だけで済んだ事件から、わずか2カ月で、また暗殺未遂事件が起こったことに全米で衝撃が走っている。

 ただ、今回の事件は、トランプの支持率向上には繋がらないであろう。

 最近の各種世論調査を見ると、9月19日のABC Newsの調査では、支持率はカマラ・ハリス副大統領が48%、トランプが45%である。

 19日のCNNによると、米クイニピアック大学が激戦州で12~16日に実施した調査では、支持率は、ペンシルベニア州ではハリスが51%、トランプが45%で、ミシガン州ではハリスが50%、トランプが45%、ウィスコンシン州ではハリスが48%、トランプが47%であった。

 しかし、これらの数字も今後どう変わるか分からない。そもそも、世論調査が間違うことも多く、今の段階で結果を予想することは不可能である。

■ 自民党総裁選は決戦投票が確実な情勢

 日本の自民党総裁選も、毎日のように世論調査の結果が発表されるが、支持率では石破茂、小泉進次郎、高市早苗の3人がトップの支持を集めている。最近では、自民党支持層に限って言えば、高市が小泉を抑えて、2番手、場合によってはトップに躍り出る状況である。

 9人も候補者がいれば、誰かが単独で過半数を占めることはありえないであろう。そこで、上位2者の決選投票となる。議員票が分散するだけに、党員・党友票が重要になってくる。

 どの2人が決選投票に残るかは不明である。決選投票では議員票の重みが増すが、議員の投票動向は把握しにくい。どのような合従連衡となるのか、態度を事前に表明する議員は多くない。

 日本の場合、自民党の中でのトップ争いなので、9人の候補者の政策が大きく異なることはない。政策活動費、選択的夫婦別姓などでの見解の相違は、国際社会の中での日本の方針に大きく関わるものではない。