米、中距離ミサイルシステムの比配備維持 対中抑止で戦略的価値

AI要約

米国がフィリピンに配備した中距離ミサイルシステム「タイフォン」は撤収せず、中国に対抗する戦略的価値があるため訓練を続けている。

合同演習が終了した後もタイフォンはフィリピンにとどまり、米比両国は紛争発生時の使用を想定したテストを行っている。

フィリピン政府、米太平洋陸軍、米比両国関係者の間でシステムの配備維持について協議が進められている。

米、中距離ミサイルシステムの比配備維持 対中抑止で戦略的価値

Karen Lema Poppy McPherson

[マニラ 19日 ロイター] - 米国がフィリピンに配備した中距離ミサイルシステム「タイフォン」を当面は撤収しない方針であることが分かった。事情に詳しい複数の関係筋がロイターに明らかにした。

中国の標的を攻撃できる巡航ミサイルの搭載が可能な同システムは、今年の合同演習を機にインド太平洋地域で初めてフィリピンに配備された。中国は撤収するよう求めているが、配備されたままとなっている。

複数のフィリピン当局者によると、米比は南シナ海に面し台湾海峡に近いルソン島北部にある同システムを使って訓練を続けている。合同演習は今月で終わるものの、撤収する予定は今のところ把握していないという。

フィリピン軍報道官のルイ・デマアラ大佐は18日、ロイターに対し、訓練は継続中であり、ミサイルシステムをいつまでとどめておくかは米太平洋陸軍(USARPAC)次第だと語った。

USARPACの広報担当官によれば、フィリピン陸軍はタイフォンが9月以後もとどまることができるとしており、協議を進めている。

匿名を条件としたフィリピン政府高官と、事情に詳しい別の関係筋は、米比両国は紛争が発生した場合に同システムを使用することを想定したテストを行っていると明らかにした。

政府高官はシステムの配備維持について、中国を抑止する戦略的価値があると指摘した。