ポケベル爆弾に関与のハンガリー企業CEO、「私はただの仲介者」と説明

AI要約

台湾のゴールドアポロが製造したポケベルが爆発し、関連企業BACコンサルティングへの疑惑が浮上。

ゴールドアポロは製品の関与を否定し、BACは協力関係を認めるも製造を否定。

17日の爆破事件の背後にはイスラエルとの関連性が指摘され、謎が深まっている。

ポケベル爆弾に関与のハンガリー企業CEO、「私はただの仲介者」と説明

レバノンでイスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘員らが手にしていたポケベルが一斉に爆発した事件で、このポケベルの製造元と報じられた台湾のゴールドアポロは9月18日、このデバイスの開発や製造に関与していないと説明した。

複数の報道によると、17日の爆破事件で使用されたポケベルは、ゴールドアポロのAR-924モデルである可能性が高いが、この製品のページは、同社のウェブサイトからすでに削除されている。

ゴールドアポロの創業者の許清光は、台湾の新北のオフィスで開いた記者会見で、爆発したポケベルはブダペストに拠点を置くBACコンサルティングが製造したものであり、同社はライセンスを供与しただけで、製造に関与していないと説明した。

「私はただ自分のビジネスをしているだけだ。なぜ私がテロ事件に巻き込まれるのか」と許は語り、ポケベルが爆発物となった経緯については「まったく見当がつかない」と語った。

彼は、過去にBACとの取引でいくつかの問題があったと主張し、中東を経由した「奇妙な」送金があったと述べている。自社をこの事件の「被害者」と表現した許は、この事件に「非常に困惑させられた」と主張し、BACを訴えると述べている。

ゴールドアポロはウェブサイト上の声明で、AR-924の設計および製造は「BACの固有の責任」で行われたもので、同社は関与していないと主張した。

しかし、ゴールドアポロのウェブサイトには、かつてこのポケベルの製品ページが存在していた。アーカイブされたそのページのバージョンによると、この製品は「Rugged Pager (AR-924)」と呼ばれるもので、バッテリー寿命が85日間と謳われていた。これは、電力網が不安定なレバノンにおいて、ヒズボラの工作員にとって有用な点だった可能性が高い。

このページには、AR-924がBACや他の企業によって設計または製造されたという記載はなかった。また、この製品の欧州との関連を示す唯一の証拠は、EU(欧州連合)の安全基準を満たす製品に表示されるCEマークが掲載されていることのみだった。このマークは、ゴールドアポロの他のデバイスの製品ページには掲載されていなかった。

■製造元は「ペーパーカンパニー」

ハンガリーのブダペストに拠点を置くBACコンサルティングは、AP通信によると、ペーパーカンパニーである可能性が高いという。同社のウェブサイトは、現在アクセスできないが、アーカイブされた会社概要には、リーダーシップや革新性に関する定型的な引用文がいくつか掲載されているのみで、事業の詳細は記載されていない。LinkedInのプロフィール欄にも、「コンサルタントのネットワークを通じて、変化の担い手として国際的に活動している」という曖昧な文言の他には、ほとんど詳細が記載されていない。

BACコンサルティングの創業者でCEOのクリスティアーナ・アルキディアコノ=バーソニーは、NBCニュースの電話取材に応じ、同社がゴールドアポロと提携していたことを認めた。しかし、ポケベルについて尋ねられた彼女は、「私は、このポケットベルを製造していない。私は単なる仲介者であり、誤解されている」と語った。

AP通信によると、BACは2022年に有限責任会社として登記されていたが、アルキディアコノ=バーソニーのLinkedInのプロフィールには、彼女が2019年から同社のCEOを務めていると記載されている。

17日のポケベルの爆破事件の詳細は、ほとんど不明だが、レバノンの当局者と武装組織ヒズボラはイスラエルを非難している。AP通信は、イスラエルがこのポケベルに少量の爆発物を仕かけた作戦への関与について米当局に説明したと匿名の当局者の話を引用して報じた。レバノンの治安当局者はロイターに対し、イスラエルの諜報機関モサドが関与している可能性が高いと語った。しかし、イスラエル政府は関与について公式にコメントしていない。