中秋節…伝統菓子「月餅」売り場に“異変” 中国

AI要約

中秋節を迎えた中国で、伝統的な菓子「月餅」の売り上げが低迷している。経済の不況や贈答文化の変化が影響しており、企業も奇抜な手法で消費者を引き付けようとしている。

月餅の売れ行きに失望する業者が続出し、値引きや珍しい材料で勝負する企業も。また、一部企業は20円で月餅を販売し、話題になるが、注文取り消しを求める事態も。

経済低迷により、中秋節を暗い影が覆いかぶさっており、伝統行事も影響を受けている。

中秋節…伝統菓子「月餅」売り場に“異変” 中国

中秋の名月の17日、中国でも中秋節の祝日を迎えています。こうしたなか、中秋節に欠かせない伝統菓子「月餅」にも経済の低迷による異変が起きています。

中秋節のこの時期、中国の食品売り場の至る所に並ぶのは、満月をイメージした菓子「月餅」です。中秋節の伝統的な贈答品ですが、ことしの月餅売り場には異変が。繁忙期を前に在庫が目立ち値引きも始まっていたのです。

市民

「今年はそんなに買わない。毎年多く買うけど」

「Q.誰かに渡す?」

市民

「ない。今どき月餅が好きな人なんていない」

月餅を贈る風習が減ったことに加え、経済の冷え込みもあいまって売上高が去年より3割減少した業者もあり、中国メディアも「史上最も寒い中秋節」と皮肉っています。

こうした状況に消費者の関心を引こうと企業も躍起になっています。こちらの月餅は…

「結構身がぎっしり入ってますね。ご飯と合いそう」

中に入っているのは定番の「甘いあんこ」ではなく、ピリ辛に味付けした「ザリガニ」。変わり種の商品で勝負する企業のほか、ネット通販では、通常1個800円の月餅を20円で販売した企業も。企業側は「操作ミス」と説明し、注文の取り消しを求めましたが、SNSでは「注目を浴びるためのアピールではないか」との指摘も相次ぎました。

企業が奇策に走らざるを得ないほど、低迷する中国経済。伝統行事にも暗い影を落としています。