月見団子、関東と関西では違う!? 白くて丸い形だけではない? 地域特有の形や味わい

AI要約

お月見の歴史は古く、平安時代から始まり中国の文化の影響を受けている。月見団子は地域によってさまざまな形や味があり、それぞれの背景には特別な意味がある。

関東では満月をイメージした丸い形の月見団子が主流であり、関西では里芋を表すしずく型が一般的。他にも愛知県や沖縄県など、さまざまな地域特有の月見団子が存在する。

2024年のお月見には、様々な地域の月見団子を試してみると、地域の風情や伝統を感じることができるだろう。

月見団子、関東と関西では違う!? 白くて丸い形だけではない? 地域特有の形や味わい

お月見の歴史は古く、平安時代に中国の文化の影響により、貴族が風雅な月見の宴を催すようになったのが始まりといわれています。室町時代に民間に広がると、秋の実りに感謝して収穫物を供えるようになり、江戸時代に入ると、米から作られる団子を供えるようになりました。

月見団子とは、主に十五夜(旧暦8月15日の中秋の名月)のお月見にお供えする団子のことをいいます。十五夜は、米の豊作祈願とともに芋の収穫祝いをするため、別名「芋名月」といい、月見団子のみならず里芋などの収穫物を供え、月の神様に感謝と祈りを捧げる日です。

月見団子といえば、白い丸い形が定番ですが、じつは全国共通ではありません。地域によってさまざまな味わいや形状があるので、特徴がある月見団子を写真付きでご紹介します。

関東を中心に全国的にみられるのは、丸い形の白い月見団子です。

丸い形なのは、満月に見立てたからだと考えられています。丸い里芋に似せているという説もあります。

なお月見団子がまん丸だと、死者の枕元に供える「枕団子」と同じになってしまうため、ほんの少しつぶしたほうがよいといわれています。

関西では、里芋のようなしずく型で、周りに小豆あんを付けた月見団子が多くみられます。

月見団子を十五夜に収穫祝いをする里芋に見立て、小豆あんが里芋料理の「衣かつぎ」の皮を表しているといわれています。あんこが月にかかった雲を表しているという説もあります。

愛知県の月見団子は、名古屋名物の和菓子「ういろう」で作られています。

関西と同じようなしずく型ですが、あんこは付いていません。また、茶・白・ピンクなどの色をしているため、雰囲気も味も違います。

静岡県駿河地方の月見団子は、「へそもち」または「へそ団子」といい、平たい円形をしていて中央が凹んでいます。

へそもちは、団子の形に丸めてから手の平で平たくし、へそのようにくぼみをつけて作られます。このへそのくぼみに小豆あんをのせて食べます。

楕円形の餅に塩味の小豆をまぶした沖縄の月見団子を「ふちゃぎ(吹上餅)」といいます。沖縄で信仰されている「ヒヌカン(火の神)」や「トゥクヌカミ(床の神)」、仏壇に供えます。

小豆をつぶさずまぶすのは、「小豆の魔除け効果をつぶさないため」「お餅が母、小豆が子どもで子孫繁栄を表しているため」などといわれています。

このように月見団子には、おなじみの白くて丸い団子とは違う地域特有の特徴があることがわかりました。2024年のお月見は、9月17日。さまざまな地方の月見団子を食べ比べてみてはいかがでしょうか。