【解説】トランプ氏“2カ月で2度の暗殺未遂”容疑者の動機は?　“ゴルフ場での警備”はシークレットサービスの課題にも　

アメリカ・フロリダ州で15日、トランプ前大統領を狙ったとみられる事件があり、FBI（アメリカ連邦捜査局）が暗殺未遂事件とみて捜査を開始した。

捜査当局によると15日午後、トランプ氏がゴルフをしていたコース付近のフェンスで、銃を構えた男をシークレットサービスが見つけ発砲した。

現地メディアによると、男はライアン・ラウス容疑者（58）で、捜査当局は容疑者の身柄を拘束し、現場からAK47自動小銃を押収した。

トランプ氏は当時、容疑者から400m前後離れた場所にいたが、すぐに避難し「私は無事で元気だ」とする声明を出した。

ホワイトハウスは、バイデン大統領とハリス副大統領が事件の報告を受け、トランプ氏が無事だったことに「安堵している」と発表した。

トランプ氏は7月、東部ペンシルベニア州で演説中に銃撃を受け、耳を負傷していて、FBIはトランプ氏を狙った2度目の暗殺未遂事件とみて、捜査を進めている。

木村拓也キャスター:

事件のあったゴルフ場は、トランプ氏がフロリダ州に所有する「トランプ・インターナショナル・ゴルフ・クラブ」です。過去には、安倍元首相らと“ゴルフ外交”で使われたことでも有名な場所です。当時は、トランプ氏がゴルフをしていましたが、ラウス容疑者は何らかの方法で場内に入り込んだとみられています。

青井実キャスター:

ラウス容疑者との位置関係も重要ですよね?

木村キャスター:

複数の現地メディアによると、トランプ氏は5番ホールと6番ホールの間にいたとみられています。一方のラウス容疑者は、トランプ氏がいた場所から400m前後離れた、6番ホールから7番ホールあたりのフェンス付近に潜んでいたとみられています。

トランプ氏の警護を行うシークレットサービスが、先回りしてホールを警備していたとき、銃を構えた容疑者を発見し、発砲したということです。容疑者は車で逃走しましたが、その後、身柄を拘束されました。

青井キャスター:

なぜ、ゴルフ場に侵入を許してしまったのでしょうか?

立石修フジテレビ解説委員室長:

ラウス容疑者が潜んでいた可能性のある6番から7番にかけては、人や車が通る道に接しています。道路側からコース内が覗き見えるため、侵入しやすい環境にあった可能性があります。

また、トランプ・ゴルフクラブのコースのバーチャルツアーの動画を見ると、事件が起きたとき、トランプ氏は5番ホールのグリーン周辺にいました。周囲は茂みに囲まれていますが、この茂みは次のホールまで続き、ラウス容疑者はこういった茂みに潜んでいたとみられています。

ゴルフ場は隠れる場所が多く、狙われる側には非常にオープンな環境であり、警備は極めて難しいです。トランプ氏は頻繁にゴルフをするため、シークレットサービス側にとってもこの警備は課題だったとアメリカメディアは報じています。

青井キャスター:

容疑者はなぜトランプ氏のスケジュールを知り得たのでしょうか?

立石解説委員室長:

CNNによると、ゴルフは当日に急きょ決めたプライベートなものです。そのため、容疑者の情報入手の経路は不明で、今後の焦点となっています。