2度目の暗殺未遂 大統領選に影響? トランプ氏「私は無事で元気」

AI要約

アメリカ南部フロリダ州でトランプ前大統領を銃で狙ったとみられる事件が発生。FBIが暗殺未遂事件として捜査を開始。

容疑者はゴルフ場で銃を構え、トランプ前大統領の近くにいたが、速やかに射殺された。トランプ氏は無事を確認し、捜査が進行中。

ゴルフ場の警備の課題や容疑者の動機について議論が広がる中、事件がどのように進行したかが明らかになっている。

2度目の暗殺未遂 大統領選に影響? トランプ氏「私は無事で元気」

アメリカ南部フロリダ州でトランプ前大統領を銃で狙ったとみられる事件があり、FBI(アメリカ連邦捜査局)は、暗殺未遂事件とみて捜査を開始しました。

捜査当局によりますと15日午後、トランプ前大統領がゴルフをしていたコース付近のフェンスで、銃を構えた男をシークレットサービスが見つけ、発砲しました。

現地メディアによりますと、男はライアン・ラウス容疑者(58)で、捜査当局は容疑者の身柄を拘束し、現場から「AK47自動小銃」を押収しました。

トランプ氏は当時、容疑者から400メートル前後離れた場所にいましたが、すぐに避難し、「私は無事で元気だ」とする声明を出しました。

ホワイトハウスは、バイデン大統領とハリス副大統領が事件の報告を受け、トランプ氏が無事だったことに「安堵している」と発表しました。

トランプ氏は2024年7月、東部ペンシルベニア州で演説中に銃撃を受け、耳を負傷していて、FBIは、トランプ氏を狙った2度目の暗殺未遂事件とみて捜査を進めています。

一体ゴルフ場で何があったのか、詳しく見ていきます。

ゴルフ場は、トランプ氏が所有する「トランプ・インターナショナル・ゴルフ・クラブ」というフロリダ州にあるゴルフ場で、過去には安倍元首相らとの“ゴルフ外交”にも使われました。

事件当時はプライベートでトランプ氏がゴルフをしていましたが、容疑者は何らかの方法でゴルフ場に入り込んだとみられています。

アメリカメディアの情報を詳しく見ていくと、トランプ氏は5番ホールと6番ホールの間辺りにいたとみられます。

一方の容疑者は、6番から7番ホールの辺りにいたということです。

警護をするためにシークレットサービスが先回りして警戒・警備をしていた時に、容疑者を発見して発砲。

容疑者は車で逃走しましたが、身柄を拘束されたということです。

──なぜゴルフ場への侵入を許してしまった?

立石修解説委員室長:

ラウス容疑者が潜んでいた6番から7番にかけては、車が走る大きな道路に接しています。

ここの様子を詳しくグーグルアースで見てみると、道路側からコース内をのぞき見ることができ、中が丸見えではっきり見えます。

フェンスはありますが、そこを通じて非常に侵入しやすい環境にあった可能性があります。

さらに「トランプ・インターナショナル・ゴルフ・クラブ」のコースのバーチャルツアーの映像を見ていきます。

事件が起きた時、トランプ氏は5番ホールのグリーン周辺にいました。

周囲は茂みに囲まれていますが、この茂みは次のホールまで続いていて、ラウス容疑者はこういった茂みの中に潜んでいたものとみられています。

このようにゴルフ場は、茂みなど隠れる場所が多い割には、プレーする当事者、狙われる側はオープンな環境でプレーするため、警備は非常に難しいです。

トランプ氏は頻繁にゴルフをするため、「シークレットサービス側にとっても、この警備は課題だった」とアメリカメディアは報じています。

──今回は先回りして容疑者を見つけることができたということだが、そもそもなぜトランプ氏のスケジュールを分かっている?

立石修解説委員室長:

CNNによりますと、今回のゴルフは当日に急きょ決めたプライベートなものだったということです。

ラウス容疑者がどうやって情報を入手したか、その経路は不明で、今後の捜査の焦点というところです。

さかのぼってみると、1度目の“暗殺未遂”事件は2カ月前の7月13日、ペンシルベニア州で大統領選の集会中に起きました。

トーマス・クルックス容疑者は20歳で、その場で射殺されました。

今回は、フロリダ州でプライベートのゴルフ中、58歳のライアン・ラウス容疑者が、現場から逃走し、その後、確保されました。

──状況は異なるが関連は?

SPキャスター パトリック・ハーラン氏:

関連性はあまりないですが、アメリカはそれぐらい激動している証しだと思います。

1つ目は二十歳の犯人がその場で射殺されたため、動機は分かっていませんが、今回は58歳の人で、オンラインの投稿内容を見ると、どうやらウクライナ支援にすごく熱狂しているようです。

2016年はトランプ大統領に票を入れたというニュアンスの投稿もあることから、民主党の人ではないことも分かる、これは1回目と共通しています。

今回はなぜこういうことになったのかというと、ウクライナ支援に人生を捧げようとしている58歳の犯人は、ウクライナ支援を止めようとしているトランプ氏に怒っているという可能性は高いと思います。

ただ法廷で証言するまでは、動機の詳しい内容は分かりません。

──大統領選に向かって、世論調査はハリス氏優勢ということだが、こういった事件が影響してくる可能性はある?

SPキャスター パトリック・ハーラン氏:

あまりないと思います。1回目の影響も数週間で消えましたし、今回も未然に防げましたから、あまり関係ないと思います。