薬剤耐性菌による死者数、今後25年間で世界3900万人超に=研究者

AI要約

抗菌薬の効かない薬剤耐性菌による死者数が増加するという国際的な研究報告が発表された。

2025年までに世界で3900万人以上の死者が出る見込みで、薬剤耐性菌による直接の死者数は2050年までに増加すると予測されている。

問題解決策が取られない場合、薬剤耐性菌は医療システムと国家経済に大きな負担をかけ、2025年までには年間国内総生産にも影響が出るという。

薬剤耐性菌による死者数、今後25年間で世界3900万人超に=研究者

Nancy Lapid

[16日 ロイター] - 国際的な研究者のチームは医学誌ランセットで発表した報告で、抗菌薬(抗生物質)が効かない薬剤耐性菌による死者数が今後25年間に世界で3900万人を超え、さらに1億6900万人の関連死が出ると推計した。

是正措置が取られない場合には薬剤耐性菌に直接起因する死者数が2050年までに年間191万人、関連死は年間822万人にそれぞれ達すると推計。これらの年間死亡者数は、22年の薬剤耐性菌に直接起因する死者数より68%弱、関連死者数より75%それぞれ増えると指摘した。

薬剤耐性菌に関わる死者数の増加は医療システムと国家経済に負担をかけ、30年までに年間国内総生産(GDP)を1兆―3兆4000億ドル程度押し下げることになると予測した。

今回の推計は、今月26日の国連の年次ハイレベル会合に先立って発表された。

薬剤耐性菌に関する問題の英特使で、国連の機関協力調整グループのメンバーであるサリー・デイビス氏は「この画期的な研究は、世界が抗生物質による緊急事態に直面し、世界中の家族と地域社会に壊滅的な人的被害をもたらしていることを裏付けている」とのコメントを出した。デイビス氏は今回の研究には関与していない。