反移民のトランプ氏も中絶支持のハリス氏も「命に反する」 ローマ教皇

AI要約

ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が、米大統領選の共和党候補トランプ前大統領と民主党候補ハリス副大統領を「命に反する」と批判。トランプ氏の移民政策とハリス氏の人工妊娠中絶権利支持を指摘。

教皇は、トランプ氏の反移民政策に対し、移民を追い出すことが重罪であり、ハリス氏の人工妊娠中絶権利回復要望にも言及。自ら国民ではないが、生命に対する姿勢を明確にした。

教皇は、米国の選挙には関与しないが、移民の権利や人工妊娠中絶の是非は、一人ひとりの良心に委ねるべきだと訴えている。

反移民のトランプ氏も中絶支持のハリス氏も「命に反する」 ローマ教皇

【AFP=時事】ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis)は13日、米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領と民主党候補カマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領について、いずれも「命に反する(アゲインスト・ライフ)」との見方を示した。理由としてトランプ氏が反移民政策を掲げている点、ハリス氏が人工妊娠中絶の権利を支持している点を挙げた。

 教皇は12日間のアジア太平洋地域歴訪を終えて伊ローマに戻る機内で、「(トランプ、ハリス)両者は命に反する。移民を見捨てる者も、子どもを殺す者も、いずれも命に反している」と記者団に語った。

「私は米国人ではないし、あの国で投票するわけでもない。だが、はっきりさせておきたいのは、移民を追い出すこと、移民に就労資格を与えないこと、移民を歓迎しないことは重大な罪だ」

 トランプ氏は、不法移民を一斉検挙して強制送還すると表明している。

 また、トランプ氏が在任中に指名した3人の判事により保守色が強まった米連邦最高裁は2022年、女性の人工妊娠中絶を合衆国憲法上の権利と認めた1973年の「ロー対ウェイド(Roe v. Wade)判決」を覆す判断を下した。ハリス氏はこの権利を回復すると表明している。

 教皇は「二つの悪のうち、まだましな方を選ばなければならない。どちらがましか? あの女性か、それともあの男性か? 私には分からない。一人一人が自分の良心に従って考え、決断しなければならない」と呼び掛けた。【翻訳編集】 AFPBB News