月数万ドルを稼ぐデジタルノマドが明かす…「深い孤独」とそれに打ち勝った方法(海外)

AI要約

デジタルノマドの起業家ピーター・レベルズの成功と苦悩について

デジタルノマドが直面する孤独やメンタルヘルスの問題

成功への道を見出すために試行錯誤するピーター・レベルズの姿勢

月数万ドルを稼ぐデジタルノマドが明かす…「深い孤独」とそれに打ち勝った方法(海外)

デジタルノマドであるピーター・レベルズは、世界中を旅しながらスタートアップを立ち上げ、大金を稼いでいる。

彼は40カ国150都市に住んだが、気分が落ち込むこともあったという。

デジタルノマドは、絶え間ない移動と孤立によるメンタルヘルスの問題に直面している。

ソフトウェア開発を独学で学んだ「インディーハッカー」のピーター・レベルズ(Pieter Levels)は、40以上のスタートアップを立ち上げた。彼は世界中を旅しながら、ノートパソコンを使って数百万ドルの収入を得ている。

とても魅力的に思えるが、常にうまくいっていたわけではない。それは彼がアジアで負け犬のように感じたときのことだった。

「当時、1カ月の稼ぎは500ドルくらいで、天井を見上げながら『27歳になってしまった。自分は負け犬だ』と思っていた」と彼は振り返る。

「その時からスタートアップを立ち上げるようになったんだ」

レベルズは旅をしながら仕事をするデジタルノマドで、40カ国150都市に住んだことがある。永遠のバケーションのように思えるかもしれないが、自分を確立し、成功を得ようとしながら、落ち込むことも多かったと2024年8月20日に公開された「Lex Fridman Podcast」で語っている。

「孤独な放浪の思い出はロマンチックなものだ。ただ問題は、それが私を幸せにはしなかったということだ」

アメリカ在住の労働者と、アメリカの企業から海外に派遣された駐在員のメンタルヘルスを比較した2018年の研究によると、閉塞感や抑うつを感じていると報告した駐在員は、国内労働者の3倍に上った。さらに調査対象となった455人の駐在員の25%が不安や緊張を感じており、その比率は国内労働者の2倍以上だった。

だた、駐在員であれば、ひとつの新しい環境に慣れればいいだけだが、定住しないデジタルノマドは、常に異なる場所で適応し直さなければならない。

「あちこち旅をして、街から街へと飛び回っている。もはや家はない。自分のルーツを失ったように感じる」とレベルズは言う。

デジタルノマドで心理学者のキャロリン・ミュラー(Carolin Müller)は、デジタルノマドが「メンタルヘルスを保つのは難しい」と以前Business Insiderに語っていた。自分には理解できない、自分が理解されていないと感じ続けるからだ。

「ひとつのカルチャーの中に留まることはない。いつもカルチャーからカルチャーへと行ったり来たりしていて、カルチャーショックを受けることもある」

他のデジタルノマドも、孤独感や不安定さに苦しむ体験をソーシャルメディアで語っている。Redditのあるユーザーは、その経験を「深い孤独」と表現し、最終的には帰国せざるを得なかったと述べた。また、家族や友人が恋しくなり、あまりにも孤独だったため、「強い不安と抑うつ感」に襲われたと投稿したユーザーもいた。

レベルズは、確実なスケジュールやルールがない一人旅は「心理的に負担」になることがあると言う。

「何でもできる。どこにでも行ける。そして誰もが、『それはとてもすばらしい。自由だ。あなたはとても幸せに違いない』と言う。だが逆だ。それで幸せになれるとは思わない。制限があることが幸せにつながるのだろう」

彼は、故郷であるオランダの友人が普通の生活を続けて順調に過ごしているのを見て、当時は何も成功させていなかったこともあり、「疎外されている」ように感じたという。とはいえ、「若ければ、負け犬のように感じるのは普通のことだ」とも語っている。

「というのも、何もないからだ。お金もなければ、ビジネスを展開しているわけでもなく、仕事すらない」

彼は当時の状況を打開するために、お金を稼いでビジネスを始めることにした。しかもひとつだけではない。2014年、「12 Startups in 12 Months(12カ月で12のスタートアップ)」というプロジェクトを立ち上げ、毎月スタートアップを設立し、Stripe(オンライン決済サイト)を利用して収益化を図ろうとしたのだ。

「これは、うつ状態に対処するユニークな方法だと言える。誰かに相談するというより、『何かをやろう』という感じだ」