韓国野党「ニューライトを大勢起用…前例なき親日政府」批判

AI要約

野党は尹錫悦大統領の「ニューライト偏重人事」問題を批判し、政府のコミュニケーション不在を指摘。

対政府質問で野党と与党が激しく対立。民主党は戒厳準備疑惑を主張し、国民の力は反攻に転じる。

検察の捜査や野党議員への言及も。政治情勢は緊迫している。

韓国野党「ニューライトを大勢起用…前例なき親日政府」批判

 9日に国会で行われた政治分野の対政府質問で、野党は「光復節式典の分裂」事態を招いた尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の「ニューライト偏重人事」問題を集中的に取り上げつつ、政府の「コミュニケーション不在」の国政運営を批判した。いっぽう与党「国民の力」は、共に民主党の主張する「戒厳準備」疑惑を「怪談」と規定するとともに、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領一家に対する検察の捜査をあげつつ、野党の攻勢に対抗した。

 対政府質問初日の過熱を招いたのは、何といっても尹大統領が政府機関の要職に親日(日本統治時代に日本帝国に加担した反民族行為を擁護・美化すること)・ニューライト系の人物を大勢起用したことに対する野党議員の批判だった。民主党のクォン・チルスン議員は、「日帝時代の先祖の国籍は日本だという国務委員から、光復節を光復節と言えない独立記念館長、そして『重要なのは日本の気持ち』と語る大統領室の中心人物の発言に至るまで、正常な思考では理解できない言葉が出回っている」とし、「大韓民国の憲政史にこのような親日売国政権はなかった」と批判した。同党のパク・サンヒョク議員も、「かつて2007年にニューライト知識人100人宣言があった。このうち15人が尹錫悦政権で公職に就いたり、大統領選挙の際に尹陣営で活動したりしていた」と語った。

 ハン・ドクス首相はこのような批判を「国民を分裂させるもの」だと一蹴した。ハン首相は、「重要なのはレフトかライトかではなく、国を上昇させるのかダウンさせるのか」だとし、「なぜこのように被害意識に浸っているのか」と反論した。

 今月2日の第22代国会開会式に出席しなかった尹大統領の「コミュニケーション不在政治」をめぐる舌戦も繰り広げられた。民主党のイ・ゴンテ議員が「大統領は野党代表はもちろん、与党代表にすら会っていない。国会での批判を恐れて国会開会式にも出席しなかった」と述べると、ハン首相は「国会も大統領に適切な待遇をすべきだ」と述べた。

 いっぽう国民の力の議員たちは、民主党の主張する「戒厳準備説」について、「イ代表の司法リスクと法的責任を弾圧だと言い換えるための偽りの扇動」(クォン・ソンドン議員)だと述べて、反撃に打って出た。ハン首相も「そのような話をまき散らす方がいるなら、本当にフェイクニュースをまき散らすもの」と同調した。

 また、イ代表ら民主党指導部が先日、文在寅前大統領の慶尚南道梁山(ヤンサン)の私邸を訪問したことに言及しつつ、「防弾同盟」だと非難した。国民の力のシン・ドンウク議員は、「かつて野党は(検察が)李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)元大統領を捜査する際、2人を悪魔化して無差別に中傷攻勢を繰り広げたことがあるが、今この事件は政治報復だと表現しつつ、捜査を妨害している」と述べた。パク・ソンジェ法務部長官はこの発言を受け、「検察は政治報復を行う機関ではない」としつつ、「検察を悪魔化することは国家機関に対する国民の信頼を低下させるもの」と応じた。

 文前大統領だけでなく、民主党議員に対する捜査への言及もあった。国民の力のクァク・キュテク議員が「党大会での現金封筒授受疑惑にかかわった議員たちの調査が必要ではないか」と問うと、パク長官は「ケースによっては逮捕令状請求の必要性もありうる」と答えた。

コ・ハンソル、シン・ミンジョン、コ・ギョンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )