「今年のクリスマス開始は10月1日」...ベネズエラ・マドゥロ大統領のめちゃくちゃな「緊急事項」宣言の背景とは?

AI要約

7月のベネズエラ大統領選の混乱から逃れるため、マドゥロ大統領はクリスマスの前倒しを宣言。

現状は経済危機と政治的抑圧に苦しむ国民にとって、クリスマスの平和や幸福は遠い存在。

マドゥロの行動よりも、国の経済と政治の危機への対応が急務。

「今年のクリスマス開始は10月1日」...ベネズエラ・マドゥロ大統領のめちゃくちゃな「緊急事項」宣言の背景とは?

今年7月のベネズエラ大統領選の不正疑惑をめぐる混乱が続くなか、3期目の当選を果たしたマドゥロ大統領は、別の「緊急事項」に目を向けることにしたらしい。

それは──クリスマスだ。

目下の国内問題の解決策は、祝祭シーズンの前倒しだと考えたのか。マドゥロは9月2日に行ったテレビ演説で「国民への敬意と感謝の印に、今年はクリスマス開始を10月1日に布告する」と宣言した。

だが現状は、クリスマスがもたらす「平和、幸福、安全」とは程遠い。大統領選後、政府は抗議デモを弾圧し、2000人以上を逮捕。経済も苦境で、月額最低賃金は2年前から130ボリバル(約500円)に低迷している。

マドゥロの「クリスマス宣言」の数時間後には、ベネズエラ司法当局が大統領選の野党側候補だったエドムンド・ゴンサレスに、扇動や共謀の容疑で逮捕状を発行した。

クリスマスの前倒しより経済と政治危機の解決のほうが先だろう。