アメリカ軍は「ドローン戦争」にどう対応しているのか…新兵は訓練で「上を見ろ」と教えられる(海外)

AI要約

ウクライナ軍がアメリカ製の装甲車両に対する新たな脅威として爆弾を搭載した小型ドローンを使用していることが明らかになっている。

アメリカ陸軍はこの動向を注視し、「ドローン戦争」によって得られる教訓を新兵に訓練することで、将来の戦場での活躍を見据えている。

新兵には上空を注意深く監視し、360度を見渡す習慣を身につけさせることが重要であると強調されている。

アメリカ軍は「ドローン戦争」にどう対応しているのか…新兵は訓練で「上を見ろ」と教えられる(海外)

ウクライナでは、アメリカが提供した戦車を含めた装甲車両にとって、ドローンが脅威になることがわかっている。

アメリカ陸軍は「ドローン戦争」を注視し、そこから得られた教訓を、訓練で新兵に教えている。

兵士たちは、「上を見ろ」と教えられると陸軍機甲学校の大佐がBusiness Insiderに語った。

ウクライナ軍が戦場で使用しているアメリカ製の装甲車両は、これまでなかった脅威にさらされている。つまり、過去の戦争では直面したことのなかったタイプの脅威だ。

ロシアとウクライナは、敵の装甲車両を正確に攻撃する安上がりで効果的な手段として、爆発物をくくりつけた小型ドローン(無人航空機)を採用し、しばしば装甲車両にダメージを与えたり、破壊したりしている。

アメリカ陸軍は、ウクライナへ送られたアメリカ製の装甲車両システムが、戦闘でどのように機能し、この新しいタイプの戦争にどのように耐えているかを注視している。とりわけ「M1エイブラムス」戦車と、「M2ブラッドレー」歩兵戦闘車が注目されている。

そして、実戦から得た教訓を新兵の訓練に生かし、小型ドローンの脅威を正確に把握するにはどうすればいいかを教えている。陸軍機甲学校の副司令官であるジェイムズ・モドリン(James Modlin)大佐によれば、将来の戦場では小型無人システムが普及し、戦闘の在り方が変わることを理解するのは、新兵にとって「不可欠」だという。

「ドローンが戦場に存在する脅威だと認識することが、とにかく重要だ」とモドリンは8月中旬、Business Insiderに語った。

「上空を見ないといけない。360度を見渡さなければいけない」

陸軍機甲学校は、ジョージア州フォートムーアにある陸軍高等機動センターの一部だ。ここは、アメリカ軍の兵士が装甲車両の乗組員になるための基本的な訓練を受ける場所だ。つまり、現在の戦場で展開されている状況に基づき、将来の作戦環境でどのような脅威に直面する可能性があるかを学ぶ。

ドローン戦争への注視は、ウクライナ戦争を観察する際に重要だ。モドリンによれば、エイブラムスやブラッドレーの訓練を受ける新兵は、自分の直面しているものが偵察用ドローンなのか、戦闘用ドローンなのかについては、必ずしも見分ける必要はない。それよりも重要なのは、いずれにしても脅威である可能性を認識し、情報を指揮官に伝達できるようにすることだ。

「現場には未知のものがたくさんある」とモドリンは話す。

「兵士にとって肝心なのは、状況認識を高め、環境中にあるものを認知する能力を磨くことだ」