「猛暑」じゃなくて「暴暑」でいい…人間に被害及ぼす現象にピッタリ ソウルからヨボセヨ

AI要約

ソウルの暑さがやっと和らぎ、秋の気配が漂い始めている。

韓国語の「ポギョム」(暴炎)を通じて、猛暑の厳しさを感じる。

韓国独自の気象用語や表現には「暴」の文字が多く使われており、日本語との違いを指摘している。

「猛暑」じゃなくて「暴暑」でいい…人間に被害及ぼす現象にピッタリ ソウルからヨボセヨ

猛暑でうだるような毎日だったソウルもやっと朝晩は多少、涼しくなった。会う人との会話はお互いまず「今年は暑かったねえ…」だ。来週末からは〝秋夕(チュソク)〟(中秋節)の大連休がスタートするので百貨店やスーパーは贈答品セールを始めているとはいえ、昼間はまだ30度を超す残暑なので秋の感じはない。

それにしても暑かった。猛暑を意味する韓国語の「ポギョム(暴炎)」という語感をあらためて実感させられた。ちなみに台湾では猛暑のことを「炎熱」とか「熱炸」というようだが、あの暑さには「暴」がふさわしい。日本の「猛暑」などもう生ぬるい。これからは「暴暑」にしてはどうだろう。

韓国の気象用語は「気象」「気象庁」「気温」「気圧」「台風」「熱帯夜」「集中豪雨」などほとんどが日本起源の漢字語だが、なかに「暴炎」など韓国独自のものもある。そのほか冬の大雪は日本では「豪雪」だが韓国では「暴雪(ポクソル)」といっている。つまり人間に被害を及ぼすようなひどい現象は「暴」だというわけだ。

日本語が自然現象について「暴」ではなく「猛」や「豪」を使っているのは、自然に対する多様な感じ方ということかもしれないけれど、日本語には「暴風雨」もあるのでこの際、ぜひ「暴暑」も取り入れていただきたい。(黒田勝弘)