熱心なアマチュア、謎の古代民族ピクト人の指輪発見 1000年あまり地中に

AI要約

英スコットランドでアマチュアの考古学愛好家が、埋まっていたピクト人の指輪を発見した。

指輪は精巧な象眼細工が施されており、1000年以上埋まっていた。

スコットランド国立博物館で指輪の分析が進められている。

熱心なアマチュア、謎の古代民族ピクト人の指輪発見 1000年あまり地中に

ロンドン(CNN) 英スコットランドでこのほど、アマチュアの考古学愛好家が精巧な象眼細工を施した「見事な」ピクト人の指輪を発見する出来事があった。この指輪は1000年あまり地中に埋まっていた。

発掘を主導したアバディーン大学によると、スコットランド北東部バーグヘッドの遺跡で、ボランティアが「中心にざくろ石か赤のガラスをはめ込んだ凧(たこ)形の指輪」を掘り起こした。

発見者は同大卒業生の元エンジニア、ジョン・ラルフさん。引退後、バーグヘッドの発掘に携わるボランティアに登録していた。

アバディーン大学によると、ラルフさんは「熱心なアマチュア」を自称していて、2週間の発掘作業中には専門家から「『光った小石』を見つける才能がある」と冷やかされる場面も多々あったという。ラルフさんがこの場所の発掘に参加するのは3度目。

「このため、発掘最終日に興味深げな物を見つけた時、ラルフさんは大した期待を抱いていなかった。仲間のボランティアに見せたところで『何か掘り当てた』かもしれないと気付き、その目が輝いた」(アバディーン大学)という。

発掘を率いたゴードン・ノーブル教授(考古学)は、ラルフさんから見せられた遺物は「本当に見事」だったと絶賛する。

「発掘を行っていたジョンがやってきて、『私が見つけたこれを見てください』と話しかけてきた」とノーブル氏。「保存作業を行う前から、本当に刺激的な発見だということは分かっていた。1000年以上ものあいだ地中に埋まっていたのに、ざくろ石の象眼がきらめいているのが見えたから」と振り返っている。

ピクト人は現在のスコットランド東部や北東部に居住していた古代民族。アバディーン大のウェブサイトによると、この民族について分かっていることはほとんどなく、「600年にわたる彼らの生活を裏付けるものとしては、限られた異論の多い文書が残っているのみ」だという。紀元9世紀にはピクト人の痕跡は文書からすべて消え去った。

ノーブル氏は「これまで見つかったピクト人の指輪はきわめて少ない。分かっている情報はほぼ、保管目的で意図的に地中に埋められていた秘蔵品から得られたものだ」と説明する。

「このような遺物が大して重要でもなさそうな民家跡の床の辺りに眠っているとは予期しておらず、通常通り、発掘最終日まで作業を後回しにしていた」(ノーブル氏)

この指輪については現在、スコットランド国立博物館で分析が行われている。