射的に人だかり…韓国・釜山で“日本の夏祭り”再現 1000人以上参加

AI要約

日本の夏祭りが韓国・釜山市で再現された。

ぷさんさらん代表の昆雅之さんが企画し、協力を得て千人以上が参加。

日韓交流を促進し、夏祭りを通じて両国の文化が混ざり合う様子が伝わる。

射的に人だかり…韓国・釜山で“日本の夏祭り”再現 1000人以上参加

 赤白の祭りちょうちん、ヨーヨーすくい、浴衣姿に綿がし-。8月下旬、日本の夏祭りが韓国・釜山市で再現された。仕掛け人は、同市で日韓交流の企画を続ける社団法人「ぷさんさらん」代表の昆雅之さん(51)。釜山の一般市民向けの夏祭りは昨年から始め、地元団体や企業の協力も得て規模を大きくした今年は、千人を超える参加があった。同団体は今後も継続していきたい意向だ。

 2015年設立のぷさんさらんは、韓国語で「釜山愛」の意味。日本人留学生などを通じ、釜山の魅力を動画投稿サイト「ユーチューブ」(チャンネル名「わぼいそ釜山」)で配信するようになった。チャンネル登録数は約6万9千まで増え、賭けなしマージャン大会やビアガーデンなど、小規模の日韓交流イベントを数々開催してきた。

 長年地域で愛されるイベントにしようと、昨年から日本の夏祭り企画を始めた。今年は日本語を学ぶ釜山の市民団体「そこそこ」を誘って共催となった。博多港と韓国・釜山港を結ぶフェリー会社カメリアライン(福岡市)や、韓国にも出店する日本の回転ずしチェーン大手などの協力を得て、釜山港国際旅客ターミナルのイベントホールで開いた。

 当日は、昨年の約250人を大きく上回る参加で、レンタル浴衣を一部有料で着てもらう企画はすぐに上限に達した。日本でおなじみの射的などのブースも人だかりになっていた。

 日本語を学ぶ地元の高校1年ペ・クソヨンさん(16)は、ちょっときつめに締める浴衣を初めて着用し「日本の祭りは韓国と雰囲気が違う」と驚いていた。昌原市で暮らす藤井明子さん(32)は息子の手玄たひろちゃん(4)と参加。「一昨年前まで住んでいた日本の記憶は息子に残っていないので、こうしたイベントはうれしい」と笑顔を見せた。

 祭りスタッフで、そこそこメンバーの金キム昇スン佑ウさん(28)は「韓国の文化が日本で広がり、日本の文化も韓国でこうして人気がある。互いに互いの文化が混ざっている」と感じる。昆さんは「祭りに参加した子どもたちが、『日本って楽しいな』と実感し、次世代につながる両国の交流の種になったらうれしい」と来年も開催する考えという。(釜山・平山成美)