ウクライナの越境攻撃「予想外」 投降ロシア兵が証言

AI要約

ウクライナによるロシア西部クルスク州への越境攻撃で、複数のロシア兵が投降し、攻撃の予想外さや訓練不足を証言。

捕虜となった若い兵士セルゲイの証言を通じて、拘置所での強引な新兵確保や短期訓練の実態が明らかに。

サンクトペテルブルクでの麻薬取引疑惑から軍務に就いたセルゲイが突然の攻撃に巻き込まれ、負傷し投降した様子。

 【スムイ州共同】ウクライナによるロシア西部クルスク州への越境攻撃で、投降した複数のロシア兵が1日までに「攻撃は全く予想外だった」「十分な訓練なしに前線に投入された」と共同通信に証言した。越境攻撃による捕虜が日本メディアの取材に応じたのは初めて。ロシアが拘置所で強引に新兵を確保し、わずかな期間の訓練で任務に就かせている実態が明らかになった。

 兵士セルゲイ(23)は8月24日、クルスク州スジャ郊外で捕虜となった。どことなくあどけなさが残る青年は、7月に入隊したばかりだった。

 6月、第2の都市サンクトペテルブルクで麻薬取引に関わった疑いで逮捕された。「10年間刑務所暮らしをする覚悟があるか」。拘置所での初日、捜査官から月20万ルーブル(約30万円)の報酬で1年間軍務に就けば、罪に問われないと説明された。「人生を無駄にしたくない」と思い、軍と契約した。

 約1カ月の訓練を経てクルスク州に配属された。直後、突然の攻撃が始まり防戦一方に。野原に逃げ込んだものの、足と肩を負傷し8月24日に投降した。