エヌビディア四半期決算、売上・利益ともに過去最高…高すぎる期待と新チップへの疑念が株価の足かせに(海外)

AI要約

エヌビディアは第2四半期に好調な数字を計上し、売上を前年同期比で2倍以上に伸ばした。

ハイテク企業がAIへの投資を続けているため、好調な結果は予測通りだった。

投資家の期待が過度に高まり、エヌビディアにとっては不利な状況にある。

エヌビディア四半期決算、売上・利益ともに過去最高…高すぎる期待と新チップへの疑念が株価の足かせに(海外)

エヌビディアは第2四半期に好調な数字を計上し、売上を前年同期比で2倍以上に伸ばした。

しかし、ハイテク企業がAIへの投資を続けていることから、この数字は大方の予想通りだった。

高すぎる期待がエヌビディアに不利に働いている、と専門家は話している。

AI(人工知能)の王者になるのは難しい。

エヌビディア(Nvidia)は、AIの需要が依然として高いことを示し、売上を前年同期比で2倍以上に伸ばし、次の四半期の売上を325億ドル(約4兆7125億円、1ドル=145円換算)と予測している。

しかし、これは業界の専門家にとっては驚きではなかった。

大手ハイテク企業が人工知能に何十億ドルもの資金を投入し続け、エヌビディアの貴重なチップへの需要を囲い込んでいるため、時価総額数兆ドル規模の同社は四半期に好調な数字を出すと予想されていた。

エヌビディアに不利に働いているのは、投資家がシリコンバレーのチップメーカーに高い期待を寄せ続けていることと、AI投資のリターンに不安を感じていることだとアナリストや業界専門家はBusiness Insiderに語った。

「数字は素晴らしい」とeマーケター(eMarketer)のアナリスト、ジェイコブ・ボーン(Jacob Bourne)氏はBusiness Insiderに語った。

「問題は、投資家が四半期ごとにNvidiaに対するハードルを上げ続け、期待が非現実的になっていることだ」

eマーケターは、Business Insiderも所有するアクセル・シュプリンガー(Axel Springer)の子会社だ。

同様に、技術系調査会社Futurum Groupのダニエル・ニューマン(Daniel Newman)CEOはBusiness Insiderに対し、エヌビディアが示した第2四半期の数字は「好調だったが、そのレベルの好調は投資家によってすでに織り込み済みだった」と語った。

標準的な尺度で見れば、エヌビディアの今四半期の業績は上々だ。

同社の今四半期の売上高は300億4000万ドル(約4兆3560億円)で、前年同期の2倍以上となり、アナリスト予想の288億6000万ドル(約4兆1850億円)を上回った。

それでもウォール街は、おとなしい反応だった。

ニューマンが「ほとんど非合理的な高揚」と表現した状況は同社の株価に反映されており、エヌビディアの株価は8月28日の時間外取引で6.9%下落した。

ブルームバーグ(Bloomberg)によると、「オプション市場によれば、エヌビディアの決算は、報告後のセッションで、株価をどちらかの方向に10%近く変動させると予想されていた」という。

また、エヌビディアのGPU「ホッパー(Hopper)」に取って代わると予想されている「ブラックウェル(Blackwell)」の出荷遅延に関する懸念も、28日の決算説明会を前に浮上した。

「ブラックウェルの市場投入スケジュールが遅れていることが、投資家の動揺に拍車をかけている」とボーン氏はBusiness Insiderに語った。

エヌビディアのジェンスン・フアン(Jensen Huang)CEOは決算説明会で、第4四半期までに数十億ドル相当のブラックウェルを出荷すると約束したが、アナリストらは、この指標は曖昧であると警告した。同社幹部は投資家からの追加質問にもかかわらず、ブラックウェルから期待される利益について曖昧なままだった。

eマーケターのコネクティビティ・テックアナリストであるグレース・ハーモン(Grace Harmon)はBusiness Insiderに対し、「ブラックウェルで今年数十億ドルを稼ぐというのは、かなり大雑把な話だ」と語った。

専門家は、エヌビディアはブラックウェルの出荷遅延に関する懸念をほぼ和らげたが、同社が成果を出すことは極めて重要だと述べた。

エドワード・ジョーンズ(Edward Jones)のテックアナリスト、ローガン・パーク(Logan Purk)は、「エヌビディアが予想を大きく上回ることは難しいだろうが、今年後半に新しいブラックウェルを発表することで勢いづくはずだ」と書いている。

高い期待がエヌビディアに不利に働く可能性があるかもしれないが、フアンCEOは同社の近い将来に関して高いハードルを設定し続けてきた。

「来年は素晴らしい年になるだろう。データセンター事業は大幅に成長すると予想している」とファンCEOは述べた。

「2025年、ブラックウェルは業界にとって完全なゲームチェンジャーとなり、翌年もその勢いを維持するだろう」