豪、外国人留学生の入学を制限 記録的移民流入への対策で

AI要約

オーストラリア政府が2025年の外国人留学生の入学者数を2万7千人に制限する方針を発表。

移民抑制を模索する中、オーストラリア政府は留学生部門に改革を行うことを決定。

移民問題が総選挙での争点になる可能性が高まっている。

豪、外国人留学生の入学を制限 記録的移民流入への対策で

Renju Jose

[シドニー 27日 ロイター] - オーストラリア政府は27日、2025年の外国人留学生の入学者数を27万人に制限すると発表した。政府は、記録的な数の移民が家賃高騰の一因となっていることを受け、移民抑制を模索している。

同国はコロナ禍に海外からの留学生と労働者を対象に優遇措置を導入。これにより厳格な国境管理で外国人労働者が入国できなかった時期に企業の人材採用を支援したが、昨年からこうした優遇策を解除しつつある。

クレア教育相は記者会見で「パンデミック前と比べ、現在オーストラリアの大学に在籍する留学生は約10%、民間の職業訓練機関に属している訓練生は約50%増加している」と説明。今回の改革は留学生部門を改善しより公平にすることが目的で、将来的にはより持続可能な基盤の構築につながると述べた。

国際教育はオーストラリア最大の輸出産業の一つで、22─23年度の経済貢献は364億豪ドル(247億米ドル)に上った。

しかし世論調査では、外国人の留学生や労働者の大量流入が住宅市場に過度の圧力をかけているとの有権者の懸念が浮き彫りとなり、実施まで1年を切った総選挙で移民問題が主要な争点の1つになる可能性が出ている。

23年9月30日までの1年間の純移民数は過去最高を記録。60%増の54万8800人となり、同年6月までの1年間の51万8000人を上回った。