「ミサイル時間」把握して打撃したイスラエル…韓国の「キルチェーン」の教範に(2)

AI要約

イスラエルが先制打撃を正当化する一方、国際法的な違法性も踏まえて事態の差し迫った性質を強調。

国連憲章51条に基づく自衛権の保障により、明白な攻撃兆候も攻撃発生の範囲に含まれる可能性。

米国を含む国際社会の共感を得つつ、北朝鮮に対する先制打撃論理を検討し、外交努力を継続する必要性。

◆国際法的「正当防衛」と見なされる先制打撃

イスラエルが相手の攻撃直前に打撃するなど事態が差し迫った点を強調したのも注目される。「予防打撃(preventive strike)」とは異なる「先制打撃(preemptive stirike)」の不可避性を見せるためだ。予防打撃は敵の実際の攻撃意思が不明でも事前に積極的打撃を通じて潜在的な脅威を除去することを意味する。国際法上、不法と見なされたりする。

一方、先制打撃は「攻撃を受けることが確実な状況で先に攻撃する」という概念であり、自衛権措置の一環として理解される余地がある。通常、国際政治学では正当防衛に該当する先制打撃の3つの条件を▼相手が攻撃能力を備えている▼攻撃が近づいたことを知らせる行動を見せる▼その攻撃を防ぐ他の手段がない--としている。

◆「明白な攻撃兆候」も攻撃発生の範囲…国連憲章の自衛権保障

自衛権を規定した国連憲章51条は「加盟国に対して武力攻撃が発生した場合…個別的または集団的自衛の固有の権利を侵害しない」と明示している。このため、差し迫った明白な攻撃兆候も「武力攻撃の発生」に含まれると解釈する見方が存在する。

これには2001年の米同時テロ以降、テロ団体と大量破壊兵器(WMD)を開発するならず者国家を抑止する必要性が高まった点も影響を及ぼした。自衛権の発動を武力攻撃の事後反撃に限定させて莫大な被害を放置するのが妥当なのかという指摘だ。

◆米国など国際社会の共感を基礎に、先制打撃論理で「対北朝鮮抑止」へ

先制打撃には同盟の米国や周辺国など国際政治的な要素も考慮する必要がある。今回、米国はイスラエルの先制攻撃を直接支援しなかったが、ヒズボラの攻撃を追跡するのに必要な情報・監視・偵察(ISR)能力を提供したという。ブリンケン米国務長官は戦争の拡大を警戒しながらも、ネタニヤフ首相とガラント国防相に「米国はこのような先制的な措置を正当だと考える」と述べた。

もちろん北朝鮮のミサイル脅威はヒズボラとは比較できないレベルであり、適用が難しい側面がある。すでに戦術核弾頭搭載が可能な多種のミサイルを保有し、事前兆候の捕捉が難しい固体燃料技術も大多数のミサイルに適用している。特に北朝鮮に対する原点打撃は中国やロシアなど周辺国の反発を招き、急激な域内情勢の悪化につながりかねない。

軍内外で偵察監視能力などの強化と同時に先制打撃論理も精巧に整えるべきという指摘が出る理由だ。軍関係者は「我々は停戦状態であり、不法な核・ミサイル開発に熱を上げる北と向き合っている」とし「先制打撃の正当性を強調することで北に向けて侵略を放棄させる『拒否的抑止』概念を具現する必要がある」と述べた。米国と北朝鮮情報を緊密に交わしながら国際社会と軍事的対応に関する共感を形成するなど、外交的な努力を継続しなければならないという見方もある。