「北朝鮮のミサイル攻撃」想定し訓練 韓国で6年ぶりに再開

AI要約

北朝鮮による空襲想定の民間防衛訓練が韓国全土で行われた。訓練は6年ぶりに再開され、国民が直接参加して対応力を高める必要があるとされた。

訓練では、サイレンが鳴り携帯に空襲警報のメッセージが届き、1万7千カ所の避難所で避難訓練が行われた。

政府の統一省の職員はエレベーターが止まり、ヘルメットをかぶり階段で避難。日常生活では脅威を感じないが、訓練の必要性を認識。

「北朝鮮のミサイル攻撃」想定し訓練 韓国で6年ぶりに再開

 【ソウル山口卓】韓国で22日、北朝鮮による空襲を想定した全国一斉の民間防衛訓練が行われた。文在寅(ムンジェイン)前政権が2017年8月に中断したが、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は昨年8月、北朝鮮の核・ミサイルの脅威が高まり「国民が直接、訓練に参加することで対応力を高めていく必要がある」として6年ぶりに再開していた。

 この日の訓練は、午後2時に空襲を知らせるサイレンで始まった。携帯電話には同時に「空襲警報発令。近くの避難所か地下施設に避難してください」などとメッセージが届いた。

 韓国内にはアパートの地下、地下鉄駅、地下街など約1万7千カ所の避難所があり、訓練は全国の市役所や学校などで一斉に行われた。政府の統一省ではエレベーターが止まり、ヘルメットをかぶった全職員が、避難経路を確認しながら階段で地下2階まで避難。空襲警報が解除されるまで約15分間、待機した。

 同省の男性職員(37)は「北朝鮮がごみを付けた風船を飛ばす事件も続いているが、日常生活で脅威を感じることはない。訓練をしておく必要はあると思う」と話していた。

 幹線道路では緊急車両の通行を確保するため、一般車両が道路脇に寄せて止めるよう指示され、一部で交通が止まった。