オフィス復帰を免れるための最新戦術「静かなハイブリッド」(海外)

AI要約

オフィスに呼び戻される従業員が避けようとする「静かなハイブリッド」戦術について

上司の柔軟な対応により、頻繁な在宅勤務が可能になるという方法について

従業員の満足度向上や離職率低下に寄与するハイブリッド型勤務形態に関する議論

オフィス復帰を免れるための最新戦術「静かなハイブリッド」(海外)

オフィスに呼び戻されるのを避けようとしている従業員には、「静かなハイブリッド」戦術を使っている人もいる。

これは、オフィス復帰(RTO)が定められているにもかかわらず、上司の承認を得て在宅勤務を行うというものだ。

一部の従業員は恩恵を受けるかもしれないが、RTOの実施にばらつきがあると、他の従業員の士気が下がる可能性がある。

オフィス勤務に戻ることを回避するための新たな戦術が注目を集めている。これは「静かなハイブリッド(hushed hybrid)」と呼ばれるもので、こっそりとオフィス回帰を回避する他の方法とは異なり、上司に知ってもらいたい(いや、知らせておくべき)という方法だ。

静かなハイブリッドとは、上司の柔軟な対応のおかげで、会社が許可しているよりも頻繁に在宅勤務が可能になることをいう。

Boardwalk Human Resource Consultingの戦略的人事アドバイザー、シェリー・メジャーズ(Shelley Majors)は、上司が「従業員から選別して誰かを強制的にオフィスに戻すこと、柔軟に働ける日を設定すること、出席が絶対に必要な日だけオフィス勤務を義務付けること、場合によっては出勤を誤って報告することなどもある」と言う。

上司は、従業員の満足度や定着のためには、たとえ公式には会社の方針に反していても、ある程度手加減する必要があると感じているのだろう。

ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院のハティム・ラーマン(Hatim Rahman)助教授(経営・組織学)は、ハイブリッド型の勤務形態は、生産性に影響を与えずに従業員の幸福度を高め、離職率を下げることができるとの研究結果があると述べている。

「組織の立場からすると、会社としての方針があるかもしれないが、結果が出ている限り、それを厳格に適用しない管理職もいるだろう」

とはいえ、リモートワークを望む従業員の要望と、オフィス復帰を促す会社の思惑とをうまく両立させようとして、板挟みになる管理職もいるだろう。

特にここ数年、大量解雇やオフィス復帰義務化の中で、権力が雇用者側に戻ってきているため、「管理職は自分や部下にとって理にかなった働き方ができるよう、承認されていない方法を取るかもしれない。だがそれは必ずしも上層部の注意を引くものではない」とラーマンは言う。

静かなハイブリッドから恩恵を受ける従業員もいるだろうが、会社の方針が公平に適用されない場合、えこひいきが問題になるかもしれない。同僚は義務を免除されているのに、自分自身は何の恩恵も受けていないと感じる従業員がいれば、士気も下がるだろう。

メジャーズはこう指摘する。

「『この上司は、他の誰よりもこの人のことが好きだから、オフィスに戻らないことを許しているのかもしれない』と見られるようになる。すると従業員は『この人は何でもやりたいことをやっているのに、なぜ私は一生懸命働かなければならないのか』と考えるようになる」