消えた中朝首脳の足形…「友好の証し」のはずがなぜ 中国・大連

AI要約

中国の習近平国家主席と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記が2018年に中国東北部遼寧省大連市で会談し、足形を残したが、その足形が消える事件が起きた。

大連市の海辺にある島での中朝首脳会談の足形を見過ごす光景が現れる中、背景には中朝の複雑な関係が影響しているとの見方もある。

今年が中朝国交樹立75年の節目であり、金総書記の訪中の可能性が取り沙汰されている一方、北京の外交筋は北朝鮮のロシア接近に注目し、微妙な状況が続いている。

消えた中朝首脳の足形…「友好の証し」のはずがなぜ 中国・大連

 中国の習近平国家主席と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記が2018年に中国東北部遼寧省大連市で会談した後、その記念として2人が歩いた道路に残された足形が消えてしまった。「中朝友好」の証しに何が起きたのか。さまざまな臆測を呼んでいる。

 現場は大連市の保養地「棒棰島」の海辺に面した道路。18年の会談当時、両首脳がここを談笑しながら歩いており、そこに2人の並んだ足形が設置された。だが、今年に入って足形がアスファルトで覆われて見えなくなり、韓国メディアなどが取り上げて話題になった。

 この島には要人の迎賓館があり、海水浴場や公園として一般開放されている。中朝首脳が散策した場所は8月上旬、海水浴客で芋の子を洗うような混雑ぶりだった。足形のあった地点はアスファルトの色で確認できたが、人々は見向きもせず、路上駐車の列ができていた。周囲の人々に聞いたが、足形がなくなった詳しい事情は分からなかった。

 今年は中朝国交樹立75年の節目にあたり、北京の外交筋の間では、金総書記の訪中の可能性が取り沙汰されている。一方で、習指導部は、北朝鮮がロシアに接近して「同盟」関係を築く動きとは微妙な距離を置く。首脳の足形が消された背景にも中朝の複雑な関係が影響していると見る向きがある。【大連で、河津啓介】