数日内に停戦交渉妥結を イスラエル首相にいら立ちも 米国務長官

AI要約

ブリンケン米国務長官は中東歴訪最後の訪問地カタールで、イスラエルとハマスの停戦交渉の緊急性を強調。

交渉はイスラエルの軍の駐留継続をめぐり難航しており、ハマスとの意見の隔たりが依然として解消されていない。

イスラエル、ハマス双方の合意点にもかかわらず、ネタニヤフ首相の強硬姿勢が交渉を難航させている。

 【カイロ時事】ブリンケン米国務長官は20日、中東歴訪最後の訪問地カタールの首都ドーハで記者団に対し、イスラエルとイスラム組織ハマスが戦闘を続けるパレスチナ自治区ガザの停戦交渉について、「時間が最重要だ」と述べ、数日内に交渉を妥結させる必要があると強調した。

 

 交渉では、ガザ南部のエジプト境界地帯での軍の駐留継続に向け、イスラエルのネタニヤフ首相が強硬姿勢を崩していない。ハマスは軍撤退を主張しており、米国が先週示したイスラエル、ハマス双方の溝を埋める提案にもかかわらず、進展が見通せない状況だ。

 イスラエルのメディアによると、ネタニヤフ首相は20日、ハマスに拘束された人質の家族らと面会し、対エジプト境界地帯での軍駐留に関し、「いかなる状況下でも撤退しない」と表明。停戦合意したとしてもハマス壊滅に向けた戦闘を再開する考えも示した。

 ブリンケン氏は「米国はイスラエルの長期的なガザ占領を受け入れない」と説明。これまで合意できた部分にはガザからの軍撤退に関する日程や場所が含まれており、イスラエル側も同意していると強調した。

 米高官はAFP通信に対し、ネタニヤフ氏の発言は「建設的ではない」と批判。ネタニヤフ氏は19日、ブリンケン氏に米提案を受諾すると伝えていただけに、交渉に水を差す発言に米側はいら立ちを強めている。