タイ憲法裁、セター首相の解任命じる 閣僚人事の責任で

AI要約

タイの憲法裁判所は14日、セター首相の解任を命じた。解任の理由は責任者が憲法規定に違反した閣僚人事に関与しているため。

セター氏は昨年8月に首相に就任し、今年4月の内閣改造で問題となったピチット氏が関与した法廷侮辱罪事件が発端となっている。

憲法裁は、前進党の解党命令も出しており、政治情勢が不安定化する可能性がある。

タイ憲法裁、セター首相の解任命じる 閣僚人事の責任で

 タイの憲法裁判所は14日、憲法規定に違反する閣僚人事の責任があるとしてセター首相の解任を命じた。国軍に近い前上院議員らが解任を求めていた。連立政権を組む親軍派の意向が影響した判断とみられ、社会の混乱を招く可能性がある。

 セター氏は昨年8月、タクシン元首相派の「タイ貢献党」から首相に選出された。地元メディアによると、新首相が決まるまで、プームタム副首相兼商務相が職務を代行するとみられる。

 憲法裁は、4月の内閣改造で首相府相に任命されたピチット氏が2008年に法廷侮辱罪で実刑判決を受け、短期間服役していたことが憲法の閣僚資格に反すると判断した。

 ピチット氏は親軍派と対立してきたタクシン氏の汚職疑惑に関わる裁判で弁護人を務めた際、最高裁職員に賄賂を渡そうとしたとされる。閣僚職は既に辞任している。

 憲法裁は今月7日、最大野党だった「前進党」の解党も命じていた。

【バンコク武内彩】