交通事故の原因究明に「科学」動員…韓国・国科捜が向き合った「ソウル市庁駅事故」のミステリー

AI要約

韓国・国立科学捜査研究院(国科捜)交通課は、さまざまな手法を使い、事故原因を科学的に解明する取り組みを行っている。

国科捜は、事故発生時の車両データやドライブレコーダーの音響周波数を分析し、事故原因を特定するために様々な情報を活用している。

車両の急発進に関する調査を通じて、運転者の誤操作や車両の構造的欠陥などが原因として考えられているが、車両の欠陥による急発進はまだ確認されていない。

交通事故の原因究明に「科学」動員…韓国・国科捜が向き合った「ソウル市庁駅事故」のミステリー

【08月14日 KOREA WAVE】「靴底からドライブレコーダーの音声まで全て見つけ出す」

韓国・国立科学捜査研究院(国科捜)交通課は、事故原因を科学的に解明するため、さまざまな手法を駆使している。先月発生したソウル市庁駅逆走事故でも、靴底に残ったアクセルペダルの跡が事故原因の特定に役立った。チョン・ウジョン課長は「アクセルペダルやブレーキを強く踏んだ際には、摩擦熱で跡が残る」と説明する。

国科捜では、事故の依頼があると、まず車両事故の履歴、防犯カメラ、ドライブレコーダーを精査する。これらのデータに加え、車両に内蔵された事故情報計測・記録装置(EDR)を確認する。EDRは事故発生前後の車両データを記録し、ブレーキの作動状況やハンドルの角度、速度変化などが含まれる。

さらに、ドライブレコーダーの音響周波数も解析される。エンジン音を細かく分解し、エンジン回転数や車速を計算することで、EDRデータとの一致を確認する。この手法は、市庁駅事故でも用いられた。

急発進が発生する原因としては、運転者の誤操作や、アクセルペダルがマットに引っかかる場合、車両の構造的欠陥、電子スロットル制御システム(ETCS)の欠陥などが挙げられる。自動車のエンジンは、スロットルバルブを通じて吸入空気量を制御し動力を発生させる。ETCSの不具合が原因で急発進が起こる可能性もある。

2010年から今年5月までに、国土交通省に報告された「急発進の疑いがある事故」は793件に達するが、これまでに車両の欠陥による急発進が認められた事例はない。

(c)KOREA WAVE/AFPBB News