ソウル・東京・ローマでは五輪開催できない?…猛暑ストレス

AI要約

2025年以降、猛暑のために多くの都市で夏季五輪が開催困難になるとの予測が出ている。熱中症や死亡者が発生する危険性が高まり、既存の五輪開催都市も影響を受ける可能性がある。

パリ夏季五輪では激しい天候が影響し、暑さや雨が問題となった。東京五輪でも熱中症騒ぎが発生し、安全対策が必要とされた。

将来の夏季五輪開催都市が限られる中、競技日程や地域を工夫することで、暑さ対策を講じる必要性が指摘されている。

暑さの中でパリ夏季オリンピック(五輪)が閉幕した中、今後、猛暑のために一部の国では五輪を開催できないという分析が出てきた。

11日(現地時間)のCNN放送は、気候科学関連の非営利団体カーボンプランのデータを分析した結果、世界の多くの都市が2025年から安全の限界を越え、夏季五輪の開催が難しいと予想した。

カーボンプランによると、ソウル、東京、アテネ、ローマ、アトランタ、バルセロナなどでは2025年に熱ストレス指数が安全限界の27.7度を超える。特に北京の熱ストレス指数は32度を超えると予測された。

熱ストレス指数は気温や湿度などを基づいて計算するが、30度以上では熱中症患者が急増するという。熱ストレス指数が32度を超えると死亡者が発生するおそれがある。専門家らは一般的に27.7度以上の場合はスポーツ行事を中止するよう勧告している。過去に五輪を開催した都市も急速な地球温暖化のため今後は開催できないかもしれないということだ。

今回のパリ五輪も天気が大きな変数に浮上した。

野外で開催された開会式の当日には雨が降り、大会中は猛暑が選手らを苦しめた。しばらく穏やかな天気になったが、閉会式が開催された11日には気温が35度まで上がった。

◆暑さで熱中症続出…「五輪は春・秋にするべき」

2021年の東京五輪では暑さのため職員とボランティアメンバーの熱中症が続出した。当時、熱ストレス指数は安全限界を超える32度に達した。東京五輪の主催側は選手の安全と健康を憂慮し、マラソンと競歩を東京より気温が低い札幌で行った。

今後、2032年五輪の開催権をめぐり競合する6カ国のうち5カ国がこの限界に達する可能性がある。インド、ヌサンタラ(インドネシア)、ドーハ(カタール)、イスタンブール(トルコ)、ワルシャワ(ポーランド)、サンティアゴ(チリ)のうち、高度が高いサンティアゴを除いて五輪が開催される7、8月中は熱ストレス指数が安全限界を超えると予想される。

夏季五輪を気温がピークとなる時期を避けて開催しようという声も出ている。北欧や南半球地域で開催するのも方法だ。2000シドニー五輪と2016リオデジャネイロ五輪はそれぞれ春、冬の天気だった。早稲田大学スポーツ科学学術院の細川由梨准教授はCNNに、サッカー競技で交代カードを増やすなどスポーツ競技の日程と規則を変更するべきだと話した。