トランプ氏暗殺未遂事件、警官のボディーカメラが捉えた緊迫の現場 容疑者と対峙する瞬間も
トランプ前大統領の暗殺未遂事件での警官の行動を映したボディーカメラ映像をCNNが入手し、容疑者との緊迫した対峙がうかがえる。
警官らは数日前から容疑者の危険性をシークレットサービスに伝えていたが、銃撃事件が発生。
警官が容疑者との接触後、銃撃が発生し、シークレットサービスに不満が爆発する様子が映像に残っている。
(CNN) 米ペンシルベニア州の選挙集会で先月13日に発生したトランプ前大統領の暗殺未遂事件で、現場の警官が装着していたボディーカメラの映像をCNNがこのほど入手した。映像には警官1人が集会の様子を眺められる建物の屋根によじ登り、容疑者と対峙(たいじ)する緊迫した様子が映っている。銃撃が始まったのはこの直後だった。
CNNは公的記録の開示要請を通じてこうした映像を入手。別の映像は不満を漏らす地元の警官数人を捉えている。警官らは容疑者が銃撃に使った建物付近に人員を配置するよう数日前からシークレットサービス(大統領警護隊)に伝えていたと訴えている。
映像によれば、ボディーカメラを装着した同州バトラー郡警察署の警官は同僚の手を借りて屋根によじ登ったものの、トーマス・マシュー・クルックス容疑者と対峙した後で下りている。この約40秒後、クルックス容疑者は演説中のトランプ氏に向けて8発の銃弾を発砲。それから数秒後にシークレットサービスの狙撃手によって射殺された。
屋根から下りた警官は、建物の反対側に回り込んだ後、警察車両からライフルを持ち出している。その際、容疑者と至近距離で向き合ったと同僚に告げている。
同僚から銃撃犯はどこにいるのかと問われると、息を切らしながら、よじ登ったその場にいたと答えた。
銃撃が始まると、「頭を上げるな。奴はすぐそこにいる」と同僚に警告。「眼鏡をかけていて、長髪」と、容疑者の特徴を伝えてもいる。
銃撃後、屋根に上がった警官のボディーカメラには死亡したクルックス容疑者と犯行に使用したライフル、屋根の側面に流れていく容疑者の血が映っている。
別の映像は、銃撃から約10分後のもの。警官1人がFワードを交えながら、シークレットサービスに対し当該の建物近くに人員を配置するよう9日の時点で通告していたと不満をぶちまけている。
別の警官はこれを受け、屋根には誰かが配置に着いていると思っていたと発言。最初の警官は、シークレットサービスから「問題ない。ここに人員を配置する」と言われたと主張した。
シークレットサービスは地元の狙撃班の3人を現場付近の建物の一つに配置していた。このうち1人は当日の銃撃前にクルックス容疑者の写真を撮影。所在を確かめるため自身の持ち場を離れていた。
シークレットサービスはコメントを控えている。