好調経済暗転なら逆風に 「中間層強化」前面 ハリス氏・米大統領選

AI要約

米大統領選の民主党候補、ハリス副大統領が、ミネソタ州知事を副大統領候補に選び、中間層の強化を重視。物価高や労働市場の鈍化が課題。

ワルツ氏は普通の家庭出身を強調し、トランプ氏を富裕層に有利な政策を行うと批判。失業率上昇や経済の変調が逆風となる可能性も。

インフレ・物価が有権者の懸案事項であり、ハリス氏は家計を支援するために生活コストを引き下げる姿勢を強調。

 【フィラデルフィア時事】米大統領選の民主党候補、ハリス副大統領は6日、自らの副大統領候補に「普通の家庭」出身を自任するワルツ・ミネソタ州知事を選び、「中間層の強化」を前面に押し出していく意向を鮮明にした。

 ただ、物価高が引き続き課題になっているほか、労働市場でも急速な鈍化懸念が浮上。ハリス氏はバイデン政権のナンバー2なだけに、好調だった経済の暗転は逆風となりかねない。

 「(共和党候補の)トランプ前大統領は私が育ったような食卓に座ったことがない」。自身を含め、父親や妻、きょうだいも教員というワルツ氏は、「不動産王」のトランプ氏が富裕層に有利な減税を志向していると批判。「スーパーリッチを助けるため、経済の不正操作を目指している」と訴えた。

 一方、7月の米雇用統計で失業率が4.3%と、4カ月連続で上昇するなど、堅調だった労働市場の勢いに陰りが見える。予想より弱かった雇用統計を受け、米株価は急落。トランプ氏が「カマラ(・ハリス氏)暴落だ」と決め付けるなど、経済の変調は現職副大統領にとって不利に働く可能性がある。

 また、調査会社ユーガブなどの直近の世論調査によると、インフレ・物価がなおも有権者の最大の懸案事項だった。インフレ率はピークから大きく低下し、連邦準備制度理事会(FRB)が9月会合での利下げを視野に入れているものの、価格水準はコロナ禍前よりも高く、消費者心理を圧迫している。

 ハリス氏は「物価は依然高過ぎる」と認め、「家庭が前に進むチャンスをつかむため、生活コストを引き下げる」と言明。消費者の不安に対処していく姿勢を強調した。