ホテル放火で90人超死傷 元首相脱出バングラデシュ 略奪に窃盗も
AI要約
政変後のバングラデシュで、ハシナ前首相や与党関係先が略奪や放火に遭い、少なくとも20人が死亡した。群衆に襲われた場所には首相公邸や与党本部、警察署などが含まれていた。
さらに、地方では与党の地方幹部が所有するホテルが放火され、8人が死亡、84人が負傷した。軍や最大野党も自制を呼びかけるなど、混乱の収拾に努めている。
ハシナ氏の政敵である最大野党の党首も平静を保つように訴えており、バングラデシュは依然として緊迫した状況にある。
政変後のバングラデシュで5日、国外脱出し、辞任したハシナ前首相や与党の関係先が次々と略奪や放火に遭っている。AFP通信は、首都ダッカの警察当局者の話として、5日の死者は少なくとも20人に上ったと報じた。
地元紙プロトムアロによると、群衆に襲われたのは首相公邸のほか、ハシナ氏の自宅、与党アワミ連盟の本部や支部、警察本部、各地の警察署、最高裁長官の公邸など。いずれも家具や調度品などが持ち去られ、一部は放火されているという。
デイリー・スター紙によると、西部ジョソールでは、与党の地方幹部が所有するホテルが放火され、少なくとも8人が死亡、84人が負傷した。
混乱を抑えようと、軍トップのザマン陸軍参謀長が国民向けの演説で自制を呼びかけたほか、ハシナ氏の政敵だった最大野党「バングラデシュ民族主義党(BNP)」のカレダ・ジア党首も声明で平静を保つよう訴えた。（バンコク＝武石英史郎）
